蒸気エンジンと社長の工作魂
第41話 蒸気エンジンと社長の工作魂
さて、マシンを動かすには動力が不可欠だ。
社長は迷わず決めた――
「よし、蒸気エンジンを作ろう。」
まだこの世界には存在しない装置だ。
社長は机に向かい、熱心に図面を書き始めた。
手慣れた筆さばきで、試作のスケールを少し小さめに設定する。
昔、中学校で作った工作のイメージを思い出しながら、今回は中年の理論と技術を詰め込む。
「さあ、上手くいくかな……」
タービンを回して発電し、マシンが動けば万々歳だ。
社長の頭の中は、スチームパンクの世界そのものだった。
図面を書き上げた1日後、社長は試作の組み立てを始める。
1週間で完成した試作機。
タンクに水を入れ、ランプで温める。
数分後、蒸気が勢いよく立ち上る。
シリンダーがゆっくりと動き出す。
歯車を伝い、モーターに動力が届く。
そして……電球が輝き出した!
「おー!」
工場の従業員たちが歓声を上げる。
「凄いぞ、社長!」
「社長は天才だ!!」
「わー、すげー!」
社長は笑顔を見せ、満足げに頷いた。
「よし、今日は仕事はここまでだ。みんなで祝杯だ!」
料理や酒、果実水、菓子、果物――
テーブルは試作品完成を祝う宴で埋め尽くされる。
以前社長が作ったハンバーガーも、料理人が再現し、みんなで味わった。
祝杯の笑い声と、明かりに照らされた蒸気エンジンの輝き。
社長の工作魂は、この日も工場を熱気で満たしたのだった。
もしよければブックマークと評価をしていただけると、やる気がおきますので、よろしくお願いします。
「遥かなるアルカナ」アルカナは何処にあるかな?とかいう物語を自ら作って、自ら読んでました。
残念ながら一番候補から落ちましたが、この話面白い。書き溜めた話で一番長かった。




