ボールペン売却と貸家入手
4話 ボールペン売却と貸家入手
朝、ヤマタニは昨日買った安いパンと水で簡単に朝食を済ませた。
再び街を歩き、三色ボールペンを売り込む。
昨日練習した口上に加え、カチカチと色を切り替える音を鳴らし、宿屋で見つけたメモ用紙に書いて見せると、どこでも「これは凄い!」という反応が返ってきた。
銀貨30枚くらいで売れればいいと思っていたが、一番高く提示されたのはなんと銀貨50枚。
ボールペン二本で合計銀貨80枚――あちこち回った甲斐があった。
その勢いで、ふと見つけた家の絵の看板。
家を買うか、売るか、貸すかを示しているようだ。
主人公は道具屋で買った紐付きの革袋に銀貨を入れ、首からぶら下げる。
中身が重く、少しそわそわするが、これも大切な資金だ。
露天で買った外套で袋を隠しながら、家の看板の店へ向かう。
途中、ぶつかってきた者に銀貨の入った袋を奪われそうになる。
しかし首の紐のおかげで無事。危うかったが、用意しておいてよかった。
店に着くと、中には誰もいなかった。
お香の香りが漂い、奥のカウンターの向こうには人の気配もない。
「誰かいますか?」と声をかけると、奥から主人が現れた。
日本語とこの国の言葉を混ぜて話す主人に、最初は戸惑う。
しかし、主人がカウンターからカードを取り出すと理解は早い。
一枚目は、金と家を交換する絵。
二枚目は、客の家を金で売る絵。
三枚目は、客が金を払い、家に住む絵――貸家の説明だった。
ヤマタニは三枚目を指差す。
主人は笑い、資料を三枚渡してくる。
貸家の間取りと、町の地図に印がついている。
なるほど、町のどのあたりにあるかも一目でわかる。
ヤマタニは一番小さな家の資料を指差す。
家は町の外側、西にあり、家賃も明示されている。
言葉が通じなくても商売が成立する――この主人はなかなかやり手だ。
こうして、ヤマタニは10日で銀貨4枚、月に銀貨12枚という安い貸家を借りることに成功した。
店の若い店員が案内してくれ、鍵を受け取る。
店員が笑顔で手を差し出すので、貸家代の銀貨を渡す。
さらに手を出され、銅貨二枚を渡すと、店員は笑って帰っていった。
貸家の中はひどく埃だらけで、掃除は必要不可欠だった。
主人公はしぶしぶ掃除を始める。
しかし、ここが異世界での生活の第一歩――未来を作る拠点になるのだと胸の中で決意した。
自分は企画屋だと知り合いが言っていた。確かに漫画家、小説も企画倒れだ。
一向に芽が出ない。
でも、小説をみせた彼は、ちゃんと編成や感情、演出など入れれば、凄く面白い作品になると言っていた。
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銀貨枚修正しました。




