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倒産中年社長、異世界で孤児達と逆転再生経営!  作者: 神永ちろる


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太陽の家孤児院

閑話3 太陽の家孤児院


ヤマタニ社長は、街南部にある「太陽の家孤児院」へ視察に向かった。


白いペンキで塗られた建物は清潔で、庭の花壇には孤児たちが手入れした色とりどりの花が咲き乱れていた。


門前で院長のマクレガーが迎える。


「忙しいところ、よくお越しいただきました」


「こちらこそ、すみません。お邪魔いたします」


社長は軽く頭を下げ、建物の中へ足を踏み入れた。

廊下を歩く孤児たちは、まるで小さな軍隊のように整然としていた。


一歩ごとにかかとを揃え、手をまっすぐ下ろし、視線はまっすぐ前を向いている。


その一瞬の乱れも許さぬかのような統率力に、社長は思わず息を飲んだ。


教室では子供たちが歌と踊りを披露する。


「……なんだこれは……」


逸脱のない完璧な動き、乱れぬ声。どこか空恐ろしいほどの正確さだった。


「いゃー、凄い。びっくりしました」


思わず口に出す社長。


「うちの子どもたちとは、比べ物になりませんね」


マクレガー院長は微笑みを浮かべ、誇らしげに頷く。


「ありがとうございます。まあ、また遊びにでも来てください」


社長は順に教室、食堂、廊下を見て回った。どの場所も清潔で整理整頓され、ゴミひとつ落ちていない。


孤児たちの動きや表情には、個性というよりも統率が宿っている印象だ。


しかし、ふとひとりの小さな少女が、見学に来た社長に小さく手を振った。


その瞬間、整然とした軍隊的空間の中に、わずかな人間味が差し込む。


社長は心の奥底で、ほっとするような感覚を覚えたが、同時に胸騒ぎもした。


馬車に戻ると、社長は握手した手をハンカチで拭った。


「……なんという施設だ……」


整った孤児たちの姿は、規律が行き届きすぎていて、どこか冷たく、気味の悪ささえ感じさせた。


それでも、社長は心の片隅で思った。


「……学ぶべきものも、確かにあるな」


馬車は静かに孤児院を後にした。街の喧騒に戻ると、さっきまでの緊張が少しずつ溶けていく。


太陽の家孤児院


——その名の通り、光は差し込む場所だが、その光の下で、子供たちは厳格な影の中を歩いていた。


高評価ブックマークよかったら励みになりますので、よろしくお願いします。


マクレガーはヤマタニと対照的キャラですよね。

こういう悪役が大事なんですよ

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