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孤児狩りの恐怖
閑話:孤児狩りの恐怖
「マルペンに行けば、何か食べられるかもしれないぞ」
兄は弟に言った。
「わかった、兄ちゃん」
腹を空かせた二人の孤児は、今日もゴミ箱を漁る代わりに、マルペンの炊き出しに期待をかけた。
炊き出しは救いの綱だ。
だが、同時に恐ろしい噂もあった。
――炊き出しの日には、誰かが必ずいなくなるという話だ。
それを耳にした兄はため息をつく。
「でも、飯を逃すわけにはいかない」
弟を連れて、兄は炊き出しの最後尾に並んだ。
だが、弟は足が遅く、なかなか追いついてこない。
「ちょっと、何もたもたしてんだよ!」
焦った兄は列に並び、弟の分も受け取って待った。
先にスープをたいらげた兄は、やっと遅れてくる弟を探す。
しかし、目に入ったのは――
遠くに落ちている、穴の空いた弟のボロ靴だけだった。
――弟は、どこに消えたのか。
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第一部は書き終わり(約本一冊分)
ただいま第二部の31話まで書きました。
ここまでストックあるのも珍しいと、手伝ってくれたのが言ってました。そうなの?




