異世界転移
ストック88話あります。
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第2話 異世界転移
会社経営に失敗したヤマタニは、倒産した会社の後始末をしていた。
売れ残った商品の処理、建物や設備の整理――やることは山ほどある。
だが、気力は湧かなかった。
そんなとき、片付けの最中に埃をかぶった機械が目に入った。
あの設計者が開発途中で姿を消した機械だ。
「完成させたら世界を変える」と言っていたのに、結局警察に見せたまま放置されていたのだった。
「……最後だし、ちょっと触ってみるか」
好奇心と、どうせ処分されるという諦めが混ざる。
あちこちのボタンを押すと、機械の中心部が突然白く光り輝いた。
「な、なんだ……!?」
視界が真っ白に塗りつぶされ、次の瞬間――
気がつくと、工場ではない場所に立っていた。
周囲は草地と木々。晴れ渡る空に鳥の声が響く。春の陽気だ。
「……ここは、どこだ?」
確か日本は冬のはずだった。
曇り空のはずなのに、今は小春日和のようだ。
財布、携帯、ハンカチ、ボールペン、タバコにライター。
身軽だが、携帯は圏外でネットも使えない。
道を見つけ、岩に腰掛けて待つ。
しばらくして馬車がやって来た。
言葉は通じない。外国語だろうか。
身振り手振りで伝え、荷台の干し草の上に寝そべる。
干し草の温かさに、うとうとしてしまった。
目が覚めると、街の中にいた。
干し草から這い出す
石造りの建物、見たことのない文字、聞いたことのない言葉。
日本語も、英語も通じない。
途方に暮れていると、道に落ちていた帽子に目が止まる。
誰かが落とした帽子か?
拾ったはよいが、落とし主はみつからない。
帽子を放りだして路地の隅にこしかける。
座りながらあれこれかんがえる。
ふと気がついたら時間がかなり経っている、
帽子を何となくみてみたら、コインが数枚入っている。
「物乞いじゃない……でも、これで食べ物は買えるか」
市場を歩き、匂いや人々の様子を観察する。
銅貨と銀貨の価値を推測し、銅貨二枚のパンと銅貨三枚のスープを買った。
固いパンだが、温かいスープと一緒ならなんとか食べられる。
腹が満たされたら、次は宿だ。
看板の絵を頼りにベッドの絵を見つけ、身振り手振りで一泊の宿を取る。
銀貨一枚。日本の安宿なら妥当な値段だろう。
部屋に入ると、窓を開けて通りの人々の会話を聞く。
果物屋の客引き、露天商の呼び込み。
言葉は分からないが、リズムや声の抑揚から意味を想像する。
「……明日は、手持ちの物を売ってみるか」
ボールペンやライター、煙草。
異世界でも、価値のあるものは価値のまま。
ヤマタニは静かに考えを巡らせ、夜の闇に目を閉じた。
かなり前に漫画の投稿であちこち編集を回りました。かなり酷評で疲れはて、橋の隅で座り飲みかけコーヒー缶を置いて休憩したんです。
そしたら缶の中に500玉入れられました。




