工場直営店舗と開発の両立
第12話 工場直営店舗と開発の両立
銀貨、銅貨を机の上に並べて数える。
何度数えても今日もギリギリ。
売上が問題だ。金を稼がないと詰む。
脳裏に浮かぶ、息子の大学進学予算がないと告げた息子の暗い顔を…。
喉が痛い。あの日の場面、声が裏返る。
守れるか?守るしかない。
気を取り直し、雇った子供達にどうしたら、よく覚えてくれるか考えた。
少年二人はなかなかやる。すぐに仕事を覚えてくれた。
石鹸やロウソクの生産ラインも、手際よく回るようになる。
そこでヤマタニは、工場の前に工場直営の小さな店舗を作ることにした。
通りかかる人々が商品を手に取りやすいように、陳列棚を並べ、見やすく工夫する。
少女は売り子として店に立ち、客とやり取りしながら販売を覚えていく。
ヤマタニはケン、ロミオ、ウテナの三人の様子を見ながら、自分は模型作りや新商品の開発に専念できる。
さらに街の雑貨屋にも声をかけ、商品やポスターを店頭に置かせてもらうことにした。
露天や店舗だけでなく、街のあちこちで自分たちの存在を知ってもらう。
そういえば、工場脇の小屋に住まわせた孤児がいない。もっと良いねぐらを見つけたのかも知れない。
ヤマタニは気にもしない。毎日薄いスープばかりだからな。
こうして、ヤマタニの工場と販売網は少しずつ形を整えていった。
少年少女の力もあって、生産効率は上がり、ヤマタニは開発の時間を確保できるようになる。
本当に金が厳しい。もっと売らないと子供達を守れない。今度は絶対に救ってみせる。
しかしヤマタニはまだ気づかない。マルペン商会とかかわった孤児が、また一人、また一人と消えていく事を…。
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売上の一万円札を数え、夜間金庫にいれる仕事をしました。
十枚ずつ数えて数百万円になると、これがあれば新しく車買えるとか考えてしまいます。




