倒産した中年社長、すべてを失う
この作品は趣味で書いた"異世界商人"が元にしたものです。
4年ほど前、会社を辞め1年ほど失業保険を受けながら書き溜めました。あらたに設定を変えたところ、読んだものが、70点の評価でした。さらに手直しし80点の段階で投稿いたしました。
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第一部
第1話 倒産した中年社長、すべてを失う
前に立つのは山谷光輝社長。
会社集会中
「……本日をもって、当社は倒産いたします」
静まり返る会議室。
三十年続いた会社の終わりは、驚くほどあっさりしていた。
蛍光灯の白い光が、社員たちの顔色を青く照らしている。
「責任は、すべて私にあります」
喉が焼けるように痛い。
「あなた達は……悪くない」
視界が滲む。
膝が折れた。
床に手をつく。
冷たい。
「守れなくて……すまない……!」
額が床につく。
誰も罵らない。
それが、いちばん苦しい。
やがて、背後から声がした。
「社長」
若い営業の声だった。
「俺、ここで働けて良かったです」
別の声。
「次、やりましょうよ」
涙が止まらなかった。
守れなかったのに。
それでも、ついてくると言う。
その重さに、胸が潰れそうになる。
夜。
社長は誰もいない工場に戻っていた。
シャッターは半分閉まり、機械は沈黙している。
無理な設備投資。
大口取引先の契約打ち切り。
資金繰りの綻び。
毎日3話更新予定です。ストック88話あります。
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