第八話 三日目昼 友達にぬか漬けを食べさせる。
俺は大学に到着した。
午前の講義を真面目に受けた。
お昼になった。
今日も友達の潮田 高次と水川 大貴と食堂に行った。
「高次、大貴、何食べる?俺はチキン南蛮定食。」
「俺は焼肉定食にする。」
「俺はアジフライ定食にしようかな。」
「俺等またきれいにわかれたな。」
「そんなもんだろ。味覚なんて人それぞれだし。」
「そうだな確かに。」
俺等はそれぞれ食べたいものを選んだ。
隣の席と向かい側に高次と大貴が座った。
俺は昼食を食べ始める前に、小さい保冷バッグから昨日漬けたきゅうりのぬか漬けが入ったタッパーを出し、テーブルに置いた。
「岩鬼、それは?」
「きゅうりのぬか漬け。昨日漬けたやつ。」
「俺のばあちゃんみたいだな。」
「おい、高次。流石に岩鬼に失礼だぞ。」
「大貴、ありがとう。でも、俺もぬか漬けやる前までは高次と同じ感想だったわ。」
「おい、話をすすめるなよ。岩鬼、大貴。別に貶したかったわけじゃないんだ。俺、ばあちゃんっ子だったから懐かしくてつい言っちゃっただけだよ。」
「そうか〜」
「ややこしい発言するなよ。高次。」
「岩鬼、一切れきゅうりのぬか漬けくれよ。きゅうりのぬか漬け好きなんだよ。」
「いいよ。」
高次が、箸で一切れ取って、すぐに食べた。
「うまっ!何だこれ!」
「岩鬼、俺もくれよ一切れ。」
「いいよ。」
大貴も、箸で一切れ取って、すぐに食べた。
「確かに美味しいな。でも、昨日漬けたわりに、味に深みがあるな。」
「そうだな。」
「実は死んだ父方の祖父母の家にあった。300年もののぬか床で漬けたぬか漬けなんだ。」
「え〜!!」
2人は驚いた。
「ぬか床ってそんなに持つの?」
「確か、九州の方では400年もののぬか床があるらしいからありえないことではないけど、300年もののぬか床で漬けたぬか漬けなんて初めて食べたよ。」
「大貴、よく知っているね。俺もこの前まで知らなかったよ。」
「ていうか、岩鬼ってなんで見つけたぬか床が300年ってわかるの?」
「確かに。なんか変だな。」
高次と大貴が俺に疑いの目を向けた。
俺は、どうせぬか床の妖精が『300年もののぬか床と言ったから。』と言っても2人は信じないと思い、
「昔、父方の祖母が、この家にあるのは、300年もののぬか床だと説明してたからだよ。」と嘘をついた。
2人は、「へぇ〜」と、納得したようだった。
色々と話していたら時間経って、お昼は終わった。