第七話 三日目朝 ぬか漬けの味
いつも通りアラームと共に起きた。
ぬかさんを起こして、ぬか漬けの壺から離れてもらった。
昨日、ぬか床に漬けたきゅうりが食べ頃なので取り出した。
食べやすいサイズに切って、一切れ味見をした。
俺はぬか漬けを今まで食べたことがなかった。
そんな俺でも美味しいとわかる味だった。
「岩鬼、このぬか漬け美味しいでしょ。私は少し浮いて移動できる以外に、ぬか漬けを美味しくさせる能力もあるんだ。」
「流石、ぬか床の妖精なだけありますね。」
「もっと褒めていいぞ!」
「よっ!300年の伝説。」
「もっと褒めろ。」
「よっ!ぬか床のカリスマ」
「流石に照れるからもう言わなくていい。」
ぬかさんは赤面していた。
いつの間にか時間が経っていたので、急いで朝食の準備をした。
今日の朝食はサンドイッチが食べたかったので、たまごサンドとツナサンドにした。
汁物も欲しかったので、インスタントのほうれん草のポタージュを使った。
食べ終わったら、ゴミ捨てに行った。
終わったらぬか漬けの壺を冷蔵庫にしまい、身支度をして出掛けた。
日本で1番古いぬか床は、400年ものらしいです。