第十四話 七日目 来訪者
ゲームを徹夜で遊んで眠かった。
しかしこのまま眠るのはせっかくの休みに勿体無い。
だからコーヒーを飲んで眠気を飛ばした。
眠気がなくなったので、いつも通りに朝食とぬか床の世話を終わらせた。
一段落したのでぬかさんとテレビゲームで遊んだ。
長時間した。
目が疲れたのでお昼前に辞めた。
ゲームを辞めた後は昼食を食べてぬかさんとテレビ番組を視聴していた。
しばらくして〈ピンボーン〉と呼び鈴がなった。
出ると両親がいた。
「久しぶり父さん、母さん。」
父と母「元気だった?岩鬼。」
「うん。それなりに。父さん達はどうしているの?」
父「有給休暇をとってお前に会いに来たんだよ。」
母「そうよ。」
「そうなんだ。まぁ話したいこともあるだろうし、大したもてなしはできないけど家に入りなよ。」
父「わかった。」
母「わかったわ」
家の中に入った。
両親をリビングにに連れて行く途中で気づいた。
·····そういえばぬかさんのこと両親には伝えていない。
ぬか漬けの壺を持ち帰ったことは伝えたが、ぬかさんについては信じないだろうから伝えていなかった。
·····母さんは見えないからいいとして、父さんはぬか床を大切にしていた一族の血縁だから見える。驚いて腰抜かさないか心配だな。
そんな不安を抱えつつ、両親をリビングに連れてきた。
リビングを見ると、ぬかさんがテーブルの上でゴロゴロしていた。
母さんは「あら、リビングきれいにしているわね。」と普通のリアクションだった。
しかし父さんは、目をこすってはぬかさんを見て目をこするを繰り返していた。
やはりぬかさんが見えているようだ。
わかった上で「父さんどうかした?」と聞いたら、
父さんは「いや、テーブルに小人がいたから幻覚でも見ているのかと思って。」と不安そうだった。
母さんが「あなた疲れているのよ。少しそこのソファーで休んだら。」と促した。
父さんは言うことを聞いてソファーで眠った。
父さんが寝てしまったので、母さんと俺は世間話をした。
大学のこと、仕事のこと、色々話した。
最近ぬか漬けを始めたことを言ったら、母さんは「岩鬼、高校までは料理をあまりしていなかったのにすごいわ。」と褒めてくれた。
時間は経っていつの間にか夕方になっていた。
両親は明日も有給休暇をとってはいるが、現在仕事している場所がここから遠いのでもう帰ることになった。
母さんとは色々話したが父さんは寝ていたから何も話せなかった。
そういうところが父さんらしいけど。
帰り間際に父さんに「俺も父さんが見た小人見えているよ。」と小声で伝えたら、「お前もそうか。」と驚いていた。
両親は帰った。
夕食を食べてぬか床の世話をしてぬかさんと喋った。
ぬかさんは『父さんが幼少期の頃一緒に遊んだことがあった』と言っていた。
父さんは今年で48歳だからぬかさんを忘れていてもしょうがない。
人は古い記憶ほど忘れるものだから。
色々して寝る前になった。
今日は両親が突然きて驚いた。
だが、久しぶりに会えて嬉しかった。
帰ってしまったとき寂しさがあった。
夏休み頃にまた来ると言っていたからそれまで待とう。
俺は眠った。