闇を覗くとき、また闇も覗いてる 神も覗いてる
異世界転生一日目、初めての夜である。
「野宿とかはじめてなんだが、不安だな…。まぁハーゲルの祝福で魔物はいないってわかったけど、野生の動物はいるよな??」
火の魔法を使い焚き火を確保し、道端の大きな木の下で野宿をすることにした。前の旅人が残したのか、石で積み上げられた釜戸の様なものがあり、軽く整地されていてマントを敷けば寝れない事もない場所を見つけたのである。
「んーやっぱり地面直だと硬いな。寝れるかな?」
初めての異世界、初めての夜。見知らぬ地での野宿に不安は尽きない。
「それにしても、星が凄いな!月も奇麗だ!」
無数に広がる星、天の川の様な物も見える。何より満点の月だ。妖しく青白く浮かぶ満月は見るものを引き寄せようだ。
「んー、しかしスキルだよなぁ…どうしよう。」
鑑定︰インターネット
インターネットで出来る事は何でも出来る。買い物から調べ物まで最新の動画や漫画なども何でもござれ!(別途料金が発生致します。詳しくは各サイトより)
「お金か…」
正直この世界の金銭の価値が分からない。ハーゲルから色んな硬貨や紙幣らしき物がアイテムボックスに入ってたが、初日だし街にすら入ってないのでインターネットを使えずにいた。
「目の前の画面のボタンを押せばビールが飲めるのだが…まぁ大丈夫だろう!よし!飲もう!」
決心をしてボタンを押す。すると目の前に缶ビールが現れストンと落ちた。
「アイテムボックス!」
アイテムボックス内のお金を確認する。
「このビールがたしか5本で千五百円だったよな」
アイテムボックス内の紙幣一枚と銀の硬貨が無くなっていた。
「んー単価というか、価値は一緒なのか?これが千円札でこれが五百円玉か?」
あれこれと唸りながら試行錯誤していると、
「これインターネットで調べれるのか?スキル︰インターネット!」
詠唱を唱えてインターネットを開く。
「何て検索掛ければいいんだろ?クロス大陸…えっとお金と」
クロス大陸とは今キッドのいる大陸である。十字の形をしていることからそう呼ばれる様になったとか。
「んーこれが一万円、五千円、千円…硬貨も一緒みたいだな。」
ちなみに単位はピザであるなんとも美味しそうな単位である。
「んー価値が分かったとして、後はどう稼ぐかと、ここの物価だよな。」
残り残高は48,000ピザくらい。もしもパン一つで3,000ピザ取られるしたら食費だけでも一ヶ月も持たない。不安はあるが…
「まぁ、最悪ネットスーパーからの転売ヤーだな」
転売ヤーという響きに少し罪悪感がある。
「まぁボッタクらずに、この世界の適正価格売れば大丈夫ですよね?神様?」
称号:神の子
神と繋がり、神の祝福を受ける。常に神自らが見守り、天啓を受ける事もある。教会で祈りを捧げることで面会も可能