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いざ教会へ!

「ここが教会だ!帰り道は大丈夫だろ?」


「えっ!マキノさん着いてきてくれないんですか?」


「俺もそろそろ商会に顔を出さないとな!あと、祈りの寄付を忘れるなよ!払うまでしつこく纏わり付いて来るぞ!じゃあな!」


逃げるよう去っていくマキノを見て一層不安が強くなっていくキッドであった。


「おはようございます、誰かいますか?」


「おはようございます。おや、見掛けない顔ですね。本日はどうしました?」


「はじめまして、キッドといいます。キッカの街には昨日着いたばかりでして、旅の無事に感謝の祈りの捧げにきました」


「おぉ、なんとも素晴らしい。神もお喜びになるでしょう」


教会に入るとすぐ正面には受付カウンターのような作りになっており、声を掛けると奥のドアからは、70〜80代の神父とおもわれるお爺さんが出てきた。心付けの布施をし、案内を受け礼拝堂に来た。


 礼拝堂は神秘的な雰囲気を醸しだしてた。中央に赤い絨毯がしかれており、その左右には五人掛けくらいのサイズのベンチがいくつか並んでいた。最奥に石像がある。中央に神と思われる女性、周りに5人の天使がいた。


 あれは神様かな?ってか、あの天使の石像浮いてないか?どうなってんだ?


「では、コチラでお祈りを、帰りの際声掛けは不要ですので、失礼します。」


「はい、ありがとうございます。」


笑顔で、おじぎをしそのまま去っていく神父を目で追う、神父がドアに手を掛けた瞬間にピタっと動かなくなった。何か派手な演出が起こるのでは?と警戒し、一人になったら祈ろうと思っていたキッド、微動だにしない神父を不審に思い、声を掛けた


「神父さま?大丈夫ですか?」


『早く祈りのなさい』


「!!」


スキルを獲得した時のように声が頭に響いた。振り向くと、石像の前に光が注いでいた。

 

 あそこで祈れってことなのか?


光もとに行き、片膝をつき、両手を組み、目を瞑る。


 「神様、無事にたどり着けました。ありがとうございます」


「うふ、いいのよキッド、母として当然です」


「はつ、!?、その声は!!」


突然の返事に驚き、目を開け正面を見る。目の前には、神がおり、気づけば教会ではなく、真っ白な空間にいた。


「神様!!」


「まぁ、母とは呼んでくれないのですか…」


神様がションボリとする


「喝っ!!!!神を泣かせるとは何事か!!」


突然の大声にビクっとするがすぐにハーゲルだと気付き返事をする


「すいませんお母さん、まさか会えるとは思わず!また、会えて嬉しく思います!」


「うふっ、ありがとう、私も嬉しいわ」


笑顔が弾けた、胸も弾けた。


感無量であった。教会にきても会えてハーゲルだと思っていた。良くて声が聞こえるくらいにしか思ってなかった。感動に打ちひしがれて涙が溢れた。


「あら?涙なんて流してどうしたの?どこか具合でも悪いの?それとも神気かしら?抑えてるはずですけども」


「いえ、また会えたことが嬉しくて思わず…グスっ、すいません。」


「まぁかわいい子、大丈夫よ、忙しい時以外は私がきます、基本ハーゲルにお願いするけどね。うふっ」


「いえ、神よ、少し神気が漏れてます。」


「あら、ごめんなさい!これでどうかしら?」


「はい。完璧で御座います」


溢れんばかりの感情は止まったが何とも言えない気持ちになるキッド、改めて、無事に転生出来た事、この世界の美しさ、マキノ達との出会いについて話す。


「そうね、あの者達との巡り合わせは良かったと思うわ。」


「神よ、そろそろお時間です。キッドよ何か聞くことはありますか?」


「はい、商売についてなんですが…転売ってダメですか?」


「大丈夫よ、あなたの思うままに行きなさい!母が許すわ」


細かい事など詰めて聞こうとしたが、コチラの世界の人が納得すればどんな金額でも、それでいいらしい。神からの許しに安堵する


「それじゃあ、天界からいつも見守っているわ」


「ありがとうございます、また会えることを願います!」


「うふ、あなたの旅に幸あらんことを」


「神の祝福の加護を獲得しました、ステータスから確認してください」


「!?、ハーゲル?」


「はっ!しまった!喝っっっ!!!」


次の瞬間、気づいたら教会に戻ってた。んー、なんだろ頭がボーッする。神様に会って転売の許可をとって…いつ戻ったんだ?


 初めての神様との謁見での影響だろうと、余り深くは考えなかった。周りを見渡すと、神父がドアを開け、向こうの部屋に移る瞬間であった。


 時間が止まってたのか?少し祈るフリしてから冒険者ギルドにもう一度寄ろう。


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