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EARTH  作者: デベ
11/39

「おはよう」

「あきちゃんおはよー」

「ようあきら。今日は普通だな」


教室に到着すると河藤兄妹が近づいてきた。

他二人はまだ来ていないようだった。


「普通って……。衛と真樹はまだ来てないの?」

「真樹ちゃんは来てないみたいだよー」

「衛のやつは何かを嗅ぎつけてどっか行ったぞ」

「え、衛がそういう行動とるときって……」

「ああ、何で感知してるのか知らんが変な噂拾ってくるよな」

「今度は何かなー?」


衛はなぜか2ヶ月に一回の周期で朝教室におらず、どこからともなく噂話を拾ってくるのだ。

しかも衛の持ってくる噂は、証拠や根拠がないというのに今のところ全て事実だった。

噂話が好きという訳でもないのに。


「そういえば、前校長の痴漢で逮捕とかあったね」

「あー、そんなこともあったな」

「あの誠実そうな外見からは想像できないよねー」

「外面がいいからこそ中身はってやつじゃない?」

「なるほど。つまりあきらも……」

「ええー!あきちゃん痴漢してるのー!」

「しないよ!大助も誤解生むようなこと言わないでよ!」

「わからんぞ……。もしかしたらあきらなら……」

「あきちゃん……」

「あー!もー!大助そろそろ怒るよ!」

「もう怒ってんじゃねえか」

「あははは。あきちゃんこわーい」


いつものように馬鹿なやり取りをしていると、廊下から騒がしい足音が響いてきた。そしてそのまま教室に飛び込んでくる。


「お!いるいる!」

「おはよう衛。今日も朝から元気だね。疲れない?」

「いつもこれだとそろそろ鬱陶しいよな」

「衛ちゃん近所迷惑だよー」

「ええーい!うるさい!面白い情報を仕入れてきてが教えてやらないぞ!」

「ごめんごめん。それで面白い情報って何?」

「よくぞ聞いてくれました!」

「別に俺らは聞いてねえよな」

「そうだねー」


河藤兄妹が冷たい対応をする。

大助の対応はいつも通りだが、今回は茜まで加勢したせいか衛は教室の隅で『の』の字を書いている。相変わらず見ていて飽きない人物だ。


「ちょっと二人とも」

「冗談だよ衛。戻って来いよ」

「そうだよー。冗談だよー」

「……聞きたいか?」

「あー聞きたい聞きたい」

「聞きたいよー」

「とっても聞きたいか!?」

「はいはい。聞きたい聞きたい」

「聞きたいよー」

「どうしても聞きたいか!?」

「いや、別に」

「そこまでじゃないかもー」


衛は再び『の』の字を書き始める。気配だけなら床にめりこんでいるように見える。


「衛!僕はどうしても聞きたいよ!」


こうなったときのフォロー役はいつも僕だ。


「よろしい!ならば晃には教えよう!」

「立ち直りはええ!」

「私びっくりしたよー」

「お前らには教えてやらん!」

「まあいいけどな。あきらから聞けばいいんだし」

「うんうん」

「そんなことはさせん!」

「まあいいじゃない。教えてよ衛」

「ふん。お前たち二人は寛大な俺に感謝しろ」


そういうと偉そうに腕を組んでふんぞり返る。そろそろうざい。


「さっき職員室で聞いたんだが、どうやらこのクラスに転校生が来るらしいぞ」

「へー。こんな時期に転校なんて珍しいね」

「偉そうな割に大した情報じゃねえんだな」

「すごーい。転校生来るんだー」


反応は三者三様だった。

衛はなぜか両手を組んだまま頷く。


「そうだな。ここまでなら大した情報じゃないんだが、俺の情報はそれだけじゃないんだぜ!」

「まだ何かあるの?」

「ていうかテンション高すぎてうぜえ」

「何々ー?」

「いいかよく聞け!どうやらその転校生は日本人じゃないらしいぞ!」

「「へー……」」

「そうなんだー。外人さんかー」


僕と大助は気の抜けた返事をした。唯一茜だけは純粋に驚いているようだった。


「そこの二人。リアクションが薄いぞ」

「うん……。まあ……」

「引っ張るほどの情報じゃなかったな……。少し期待した俺が馬鹿だったわ……」

「えー?そうかなー?」


茜は不思議そうだが、茜はなんというか、あれなのでスルーした。

そうこうしている内に真樹が教室に入ってきた。


「あら?晃君と大助君どうしたの?」


真樹はこっちを見るなり二人のテンションに疑問を抱いたらしい。大助は語るのも億劫そうだ。


「いや、あのね……」


僕は真樹にことの成り行きを教えた。

キャラが暴走して長くなってしまった・・・。

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