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ナイトメアゲーム  作者: 田成樹の森
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Day1《浩生と臓器探し》

翌日の朝、俺は目覚めると同時に酷い頭痛に襲われた。って!そんな事よりここは何処だよ!?辺りを見ると薬やカルテが置いてある。そしてこの硬いベット、この事から察するにおそらくこの場所は病院ではないだろうか。俺はベットから起き上がり、この一室の扉を開けた。すると、そこは建物の中にも関わらず草やキノコが生え散らかっているとても長い渡り廊下だった。だがやはり俺の思った通りおそらくここは病院だろう。何となくその様な面影があった。廊下のかなり先にとてもひらけた場所が見えたので、俺は何か分かるのではと思い、そこへ足を進めた。


着いた場所は先程の廊下よりかは整備されており、見慣れた人影がいた。

浩生「おーい、響ー!」

響「おう浩生、おはよう!と言いたいところなんだが、ここは何処だか浩生は知ってるか?」

浩生「いや、俺もさっき起きたら見知らぬ一室に居て、とりあえずひらけた場所のここに来たら響が居たんだ。」

響「なるほどな。俺は10分程前にここに来たんだが、昨日は本当にあの森で寝たよな?」

浩生「うん、とりあえず皆んなもこの建物の何処かに居るかもしれないから探してくるよ。」

響「了解した。でもこの建物は広そうだし入れ違いになる可能性も考慮して早めに戻ってきてくれ。」

浩生「分かった。」

俺はまず、近い部屋から一室ずつ見ていった。その結果、この事が分かった。実は俺は見落としていたが、各部屋の前にはメンバーの名前が書かれている名札の様な物が貼られていた。1番手前の翔龍の部屋の扉をノックしたら、眠そうな声が聞こえてきた。今起きたばかりなのだろう。そんな事を考えていたら扉を勢いよくガラガラッと開けて翔龍が出てきた。

翔龍「おう浩生か、ていうかここは何処だ?」

浩生「それが実は俺にも分からないんだ。今のところ起きているのは俺と翔龍と響だけだ。」

翔龍「なるほど…理解してないが理解した事にしとくか。他の皆んなは?」

浩生「これから起こしに行くところだ。翔龍が1番手前の部屋にいたから最初に起こしたんだ。」

俺は正直面倒くさかったが、この様な説明を1人ずつにしていき、受付にメンバー全員が揃った。持ち物は何故か全て無くなっていたが、建物を探索して食堂らしき部屋を見つけ、驚く事に建物はボロボロなのに食べ物はしっかり補填されていた。味付けが無かったのは非常に残念だが各々が食事を済ませ受付に再集合した。その瞬間に呼び出しの大きな音が響き渡った。


???「これから君達には人生を賭けたゲームをしてもらう。」

全員「!?」

ここで俺らが驚いている理由は2つある。1つ目は単純に喋った内容についてだ。それにしても不可解なのは2つ目でどこか聞き覚えのある声だったという事だ。だが、何故だかそれが誰なのかを全く思い出せなかった。謎の人物はそんな事も気にせずはきはきと喋りだした。

???「ルールは至って簡単!これから君達にはいくつかのミニゲームに参加してもらい、脱落者を決めていく。脱落者には私が言う罰ゲームを受けてもらう。何にするかは私の気分しだいだ。最後まで残った者には記憶は消させてもらうが、莫大な富や権力、欲しいものを望み通りに与える。ちなみに、ミニゲームを行う場所は毎回変わる。そして、ミニゲーム1回ごとに現実に戻ってもらう。もし現実でこのゲームの事を知らない人に話したら突然死という形で◯んでもらう。そして私はこのナイトメアゲームの主催者だ。」


主催者「ではこれよりナイトメアゲーム第1ミニゲームについて詳しく説明しよう。舞台はここ廃病院、今回だけはこのゲームが現実に反映するという事を分かってほしいだけだから罰は軽いし脱落者は出さない。まず今君達には特殊な方法で毒を体内に注入した。まぁ毒といっても死ぬ様な物ではなく腹を壊す程度だ。クリアした者にだけ解毒剤を与える。そして、やってもらう事は各フロアに隠されている臓器のパーツを集めてもらう。そして診察室にある巨大人体模型に1つずつ嵌め込んでいく、しかしパーツは9つしかない。ここには10人いる。もう言いたい事は分かるな?」


主催者「それでは第1ミニゲーム開始だ!!」


俺達は最初は混乱していたが、このサークルのリーダーである響が積極的に皆んなを落ち着かせた。だが、主催者が先程言っていた事が本当だとしたら、俺達は皆敵同士という事になる。協力など出来るのだろうか?そんな矢先に響が喋りだした。

響「お前ら、もう落ち着いたか?」

全員「………。」

響「俺だって無理に協力しろとは言わない。だが、こんな何が起こるかも分からない様な場所であまり揉め事は起こしたくない。一緒に行動してもいいが、同時に見つけて取り合いになったりしたら困るからそこはじゃんけんだ。」

ラム「あーしは1人で行動するから。それじゃ。」

翔龍「俺も、あんまり馴れ合いは好きじゃない。」

開始早々協力を好まない杉木さんと、大樹や冬狐と喧嘩ばかりで仲が悪く、女子達にも嫌われている翔龍が1人行動宣言をした。

響「まぁあの2人はしょうがないよな。皆んなはどうする?」

響の問いかけにより、Aチームは磨人・暁和・冬狐、Bチームは俺・響・大樹、Cチームは井下さんと小野寺さんになった。本当の事をいうと、俺は中学の時から片想いしている小野寺さんと一緒になりたかったが、心にしまっておく事にした。というか同じチームになんてなったりしたら心臓破裂しちゃうよ。いや、心臓破裂なんてこの場じゃ不謹慎か。ともあれチームは決まったわけだし他の奴らに取られる前にとっとと探そう。


俺は響と大樹と協力し、5時間程で全員1つずつ臓器を獲得出来た。歩き回って分かったがこの廃病院はとてもデカい。全部で6Fあり、1フロアごとがとても広い。国立病院レベルだ。それはともあれ探し終わったし1Fの受付に戻る事にした。戻るとAチームとBチームは既に俺達より先に着いていた様で、皆椅子に座りながらこれからの事について会議していた。だが1人行動を宣言し、最初から何処かえ消えてしまったあの2人が見当たらない。ここに居る皆んなは既に臓器を抱えているのでおそらくあの2人はまだ見つけられず戻ってきていないのだろう。それから俺らBチームも会議に参加したが何も有力な情報は得られなかった。まぁそれもそうだ。こんなドラマやアニメの様な事じゃこれからどうなるかなんて予想は出来っこない。1時間程して先に戻ってきたのは杉木さんだった。その手にはしっかりと腎臓が抱えられていた。その直後に翔龍が戻ってきた為、また朝の様に受付に全員が集合する形となった。臓器を見つけられなかった翔龍は少し怯えている様にも見えたが、その事を本人に聞くと怖いけどまだ軽い罰で良かったと言っていた。主催者からは翔龍以外の体には解毒剤が注入されたとの事だった。時計を見ると針は既に午前1時を指す頃だったので、少しばかりの恐怖を覚えながらも、皆が各々の個室に戻り寝た。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ・話の進行の仕方がとても分かりやすくて面白かったです。 ・作者さんの語彙力がとても豊富で挿絵が無くても漫画の様に楽しめます。 ・デスゲームの世界観が好きな方はドハマりすると思います。 [気…
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