僕の親友がーー大魔王と呼ばれる所以
※この物語には現実社会で行うと、法律に違反する行為が含まれています。
これがフィクションで有る事を理解して、くれぐれも真似なさらない様にお願い致します。
上記理由により、現実と物語を混同させる傾向の強い方は読み進めるのはご遠慮下さい。
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エロ本、エロDVDは18歳になってから!
会員証の貸し借りは規約違反になり、場合によっては法的に罰を受ける可能性が有りますので絶対にダメ!
僕、木田久利須は何処にでもいる普通の高校2年生なのだが、母がアメリカ人でありハーフだという事を除くとひとつだけ普通では無い所がある。それは親友がーー大魔王と呼ばれている事だ。
「よお! 木田ぁ! おっはよう!」
朝からハイテンションのこいつが、親友の浅田知歩流だ。
「やあ、浅田。朝から元気だな」
「なにっ! バレてしまったか。流石の嗅覚だ。お主も好きよの〜」
浅田がそう言いながら一冊の本を渡して来た。
「おまっ! ちょっ、馬鹿か」
僕は慌てて受け取った本を鞄に突っ込んだ。それは写真集で、表紙には一糸纏わぬ女性が写っていた。
「木田もむっつり君だな」
「浅田がオープン過ぎるんだよ」
こいつは猛者なのだ。兄の会員証を使ってレンタルショップで大人のDVDを堂々と借りるのだ。しかも水曜日の100円デーに5、6タイトル纏めてだ。店員さんが女性だろうと1ミリの躊躇なくだ。
僕には絶対に真似出来ない。
「そうだ、木田の好きな緊縛もの……ふがふが」
こいつは教室で何を言い出すのだ! 僕は慌てて浅田の口を塞いだ。
「おう、ありがとな。これは代金だ。釣りは要らないぜ。だからそういう事を声高に言わないでくれ」
僕は浅田から手を離すと財布から5百円玉を取り出し、彼の手に握らせた。
思わずキョロキョロと周りを見回すと、僕が惚れている谷真美恵瑠と目が合ってしまった。
彼女は恥ずかしそうに頬を染めて目を逸らした。
普通だったら堪らない行動だが、この状況だと意味が全然違ってくる。
「あぁ! この野郎、谷さんに聞かれただろう」
僕は一心不乱に浅田の首を絞め続けた。勿論冗談でだ。
「まあ、落ち込むな。エロに興味無い高二男子なぞ存在しないのだ。はっはっはっ」
浅田の首に添えていた手を離し、項垂れた僕を彼なりの論理で励ましてくれるのであった。
▽▼▽
我が校の女生徒達が言うには……。
『我が校に出回るエロ本の89%は浅田の管理下に有る。エロDVDに至っては浅田が牛耳っている。それに加えて名は体を表すという事で、陰の呼び名は朝勃ちフルのエロ大魔王』
である。