第25話 絶望の終焉…
「残影!!!」
勇都は、スキルを使う。
全身に電流が走る。
「もう遅い!!!」
ケイトは、両手で勇都の体を引っ掻いた。
「?????何?!」
ケイトは、勇都の体を引っ掻いた手ごたえを感じられなかった。
勇都は、ケイトの体の後ろに居た。
スキルの残影が間に合った。
自分の分身をその場に置いて逃れたのだった。
「ポイズンウイップ!!!」
サマエルが変身した魔剣グランベリーから紫色の光が出る。
それが、ケイトの足元に鞭のようにしなり当たる。
「何だ。それは?そんなものは効かない…」
ケイトは、勇都に向かい動こうとする。
が、足にヒリヒリとする痛みを感じる。
「な、何故動けない!!」
ケイトは、動けない理由がわからなかった。
勇都がグランベリーに入れ替えた毒の効果だった。
痺れさせる薬草やゴブリンの毒を混ぜたものを使った。
勇都は、真っ先にある場所に走る。
それは、若いマジシャンの所だった。
デススコーピオンとブラッドエレファントを強大な魔法インフェルノで倒した男だった。
銀等級のマジシャンで名は、オーザーと言った。
「オーザーさん!頼みがあります。あいつの目を魔法で遮り動きを止められませんか!!!」
勇都は、オーザーに叫ぶ。
「あ、ああ。少しの時間しかできないが。」
「構いません!お願いします。僕は倒す準備をします!!」
勇都は、オーザーに会釈する。
「…わかった。」
オーザーは杖を構えてケイトに向ける。
「ぐ…ぬ…動かんぞ…」
ケイトは、足をジタバタさせる。
次第に足に感じた痺れが和らいできた。
「小僧が。許さんぞ。体を八つ裂きにして腸をぶちまけてやるぞ!!!」
ケイトは怒り心頭だった。
ケイトは、動き勇都の方を向いた。
「太陽の光よ。悪しき者を照らせ…スパーキング!!」
オーザーの杖から眩い黄金の光が放たれる。
「ぐ、ぬ、み、見えぬ…」
ケイトの目が光で眩み、動きが止まる。
するとケイトの前に勇都が居た。
「おおおっ!!!!」
勇都は、ケイトの腹にグランベリーを突き刺した。
「ぐぬっ!」
ケイトの腹に痛みが走る。
「こ、このぐらいでは我を倒せぬぞ!」
ケイトは、勇都に噛みつこうとする。
「強力な毒入れときました。」
勇都は、体を横に転がり回避する。
「ぐぶっ!!!」
ケイトの体に異変が起こる。
体が紫色に一気に染まる。
「こ、これは、い、一体…」
勇都は、グランベリーを構える。
「デススコーピオンの毒ですよ。」
勇都は、グランベリーを突き出して再びケイトの胴を突き刺す。
「ぐぼっ!!!」
ケイトの口から血が流れる。
「はあっ!!」
勇都は、ケイトの背中に周りグランベリーを突き刺していく。
「ば、馬鹿な。こ、こんな小僧に。お、俺が負けるなんて…う、嘘だ…」
ケイトは体を動かそうとするが出来なかった。
毒が全身に周り立っているのが精一杯だった。
勇都は容赦なく攻撃していく。
(ここで攻撃を止めれば他の人にも被害が及ぶ。僕が留めを刺す!!!)
勇都は、斬りつけ突いて行く。
「く…そ…ま、魔王、ま、お・うさ・ま…」
ケイトは、地面に大きな音を立てて倒れた。
勇都は、荒い息をしていた。
ケイトは、起き上がらなかった。
「か、勝った…」
勇都は、全身の力が抜けてその場に崩れた。




