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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第4章 希望と絶望の国・ターメリク…‐A country of hope and despair turmeric-
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第22話 勝利…

「ぐああっ!!」





ファイターの男が、ブラッドエレファントの足で踏みつぶされた。






「し、死にたくな…あががあがっっ…」




デススコーピオンの鋏で胴体を挟まれ、クレリックの体が引き裂かれる。





戦いの参加者の数が次々に減っていった。






デススコーピオンに突進していく男が居た。






勇都だった。





勇都は、全力でデススコーピオンの前に走って行く。




デススコーピオンは、両手の鋏を上げて勇都を威嚇するように向ける。








「気配隠蔽!!!」





勇都の体に電流の様な衝撃が走る。




勇都は、気配隠蔽のスキルを使用した。




体が見えなくなった。






デススコーピオンは、戸惑いその場に固まる。






デススコーピオンの脇に1人の男が居た。








「天網恢恢疎にして漏らさず…炎筒!!!」






それは、サムライのハザンだった。





身を低くさせ、刀を鞘に納め、居合斬りをした。





日本刀から炎が噴き出し、デススコーピオンの4本の足を斬り裂いた。






デススコーピオンが鳴き声を上げながら体勢を崩す。







一方、ブラッドエレファントは、鼻でランサーの男の胸を貫いていた。






「ごめんよぉ♪」





マキャーが、ランサーの男の肩に飛び乗る。





そのまま、飛び上がるマキャー。




ダガーを抜いて、ブラッドエレファントの鼻を斬る。






「パオオオオオッ!!!」





ブラッドエレファントの鼻から血が出血した。




ブラッドエレファントは、痛みの為かそこで暴れていた。





マキャーは、地面に降り、ブラッドエレファントの後ろに向かう。








「さあ、攻撃攻撃!ボーっとしないで!!」





他の参加者に呼び掛けて攻撃を促すマキャー。





マキャーは、ダガーでブラッドエレファントの尻の部分を突き刺し始めた。





尻の部分は、皮膚も柔らかくダガーが突き刺さる。




血が噴き出していた。




ブラッドエレファントは、苦しみ再び高い雄叫びを上げる。






気配隠蔽を使用したまま勇都は、デススコーピオンのハザンが斬った反対側の四本の足の部分に来ていた。





勇都は、足の胴の部分に魔剣グランベリーを突き刺す。







(行けい!勇都よ!!)





サマエルの声と共に勇都は、グランベリーを胴に突き刺す。





すると黒い血が噴き出していった。





気配隠蔽の効果が切れて姿を現す勇都。







「ユウト殿。こちらへ。」





ハザンの声に従い、勇都は走って行く。






勇都とハザンは、闘技場の中央に向かう。






するとデススコーピオンが2人を追いかけてきた。






そして、マキャーも闘技場の中央に向かって走る。





ブラッドエレファントは、怒り狂い少し速く動きマキャーを追いかけてきた。







中央に集まり固まる、勇都とマキャーとハザン。






3人の所にデススコーピオンと、ブラッドエレファントが次第に近づいてくる。








「まだだ。ギリギリまで引きつけよう。楽しくなってきたな~。」








マキャーは、楽しそうに笑っていた。





デススコーピオンが体を震わせて動いていた。






「よし、今だ!!」






マキャーは叫んだ。





デススコーピオンの毒針の付いた尻尾が勇都達に向かう。







マキャーと、勇都と、ハザンは、それぞれに散って尻尾を躱す。





デススコーピオンの尻尾が突き刺さった。





突き刺さった場所は、ブラッドエレファントの胴体だった。





ブラッドエレファントは、咆哮する。




ブラッドエレファントの体が一気に紫色に染まる。





ブラッドエレファントは、大きな音を立てて倒れる。





体が痙攣していた。






勇都は、デススコーピオンの背中に乗る。





グランベリーの柄に、先日戦ったサラマンダーの毒を入れた玉を装着させる。






「うわああああっ!!!」





勇都は、デススコーピオンの背中を突き刺した。





血が流し苦しむデススコーピオン。





サラマンダーの毒の影響で、背中の傷口が爛れ始めていた。





勇都は、何度も突き刺していた。





そして、マキャーとハザンもデススコーピオンの体を突き刺したり、斬ったりしていた。






「お、俺達も続け!」





他の参加者は、ブラッドエレファントの目や鼻、腹を突いたり攻撃をして行く。






「よし、後は、あいつに任せよう!!」






マキャーは、デススコーピオンから離れる。





勇都達もそこから離脱する。






中央には、血だらけになりほぼ動かなくなったデススコーピオンとブラッドエレファントが居た。







闘技場内に熱気が高まる。








「神々の火よ。目の前の敵を焼き尽くせ。インフェルヌ!!!」









若いマジシャンが魔法を唱える。





マジシャンの上空には、燃え盛る巨大な火の玉が浮かび上がる。





ブラッドエレファントよりも大きな火の玉だった。





デススコーピオンとブラッドエレファントに巨大な火の玉が当たる。




2匹の体が焼き尽くされた。





倒れていたブラッドエレファントが起き上がる。





全身燃えながら、ゆっくりと歩く。





ブラッドエレファントは、目も潰され見えない中、鳴きながら観客席に向かう。





『うわっ!あの象こっちに来るぞ!!逃げろ!!!』







観客席は騒然となる。





ブラッドエレファントは、空を見上げる様に高らかに鳴く。





すると力を失ったかのように、観客席に倒れて行った。






観客席が崩れ、ブラッドエレファントは沈む。




二度と動くことは無かった。






ブラッドエレファントの死んだ姿を見ている男が居た。








「そ、そんな馬鹿な。あ、あの2匹が倒されるなんて…」






ケイトは、目の前の光景を見て驚きを隠せなかった。




ケイトの手には、桃色の針が握られていた。




それは、ミポーから受け取った物だった。





モンスターを強化させて操る針だった。






「魔王様から頂き使ったが、まさか倒されるとは…」






ケイトは、顔を真っ赤にさせて桃色の針を投げつけた…

















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