第21話 共闘…
デススコーピオンとブラッドエレファントを倒す為に参加者達は武器を取り立ち向かっていく。
デススコーピオンは、動きは遅いが鋏と尻尾の毒針で迫ってきていた。
ブラッドエレファントは、その場からあまり動きはしなかった。
ファイターが大木の様な足を剣で斬っているがビクともしない。
鼻を鋭く素早く伸ばし、攻撃していく。
「おおおっ!!!」
勇都は、サマエルの変化した魔剣グランベリーでブラッドエレファントの足を斬る。
強力な毒の玉を柄にはめ込みの斬撃。
しかし、ブラッドエレファントの足の皮膚にひっかき傷をつける程度だった。
毒の効果が浸透しないでいた。
斬りつけた時にブラッドエレファントの皮膚の硬さを感じていた。
「か、硬い!」
デススコーピオンの尻尾が勇都に迫る。
「躱せ!!」
勇都は、声に築いて横に体を転がして尻尾を躱す。
勇都の居た場所に、デススコーピオンの尻尾が地面に突き刺さっていた。
勇都は、声のした方を見る。
それは、マキャーだった。
マキャーは、腕組みをしてずっと立っていた。
マキャーは、勇都をじっと見る。
「まぁ、仕方ねえか…」
マキャーは、勇都に近づく。
勇都は、マキャーを警戒する。
グランベリーの柄を握り力が入る。
「なあ、ユウト。俺と一緒に戦おうぜ。」
「え?!」
勇都は、マキャーからの意外な提案に驚いていた。
「流石に俺でもあの2匹は倒すの厳しい。皆バラバラに戦っているが、一緒に戦えば勝てる。この戦いに勝って生き残るために協力をして行こうぜ。」
マキャーは、ニヤリと勇都に向かって笑う。
勇都は、砂漠でマキャーと戦った強さと怖さをよく知っていた。
得体の知れない心理や残虐性を肌で感じていた。
が、マキャーの言うように1人の力では、デススコーピオンやブラッドエレファントを倒せない事はよくわかっていた。
サマエルの毒の力を使ったとしても、それが効くまでに時間を要する。
それまでに生きていられるのかも自信がなかった。
(勇都よ。こやつを疑うのはよくわかる。じゃが、今は生きるために協力して戦う事も必要じゃ。ここでわしもお前も死ぬわけにはいかん。)
サマエルの囁きが勇都の耳に聞こえてくる。
「…わかった。」
勇都は、マキャーに向かって言う。
「よし、決まりだ。じゃああいつらを倒す為に…」
マキャーは、勇都に話し始める。
すると1人の男が勇都達に近づいてきた。
「良ければ拙者も共に戦いたいのだが…」
観客席の役員の場所にケイトが座っていた。
「ふふ。いいぞ。絶望が湧き上がっている。観客達も盛り上がり大盛況だ。あの2匹に勝つことは誰もできん。」
ケイトは、闘技場の戦いを見てほくそ笑むのであった…




