第11話 闘技場前での再会…
ピジョンの街は、人で溢れ賑わっていた。
勇都は、屋台で食べ物を買いながら街中を歩いていた。
様々な人種がいて、見ていて飽きなかった。
勇都は、闘技場に行く前に宿を探しに行った。
オアシスもあり、水は、ヒルギスの街よりも澄み切っていて美味しかった。
しかし、価格が5倍で言葉を失った。
様々な宿屋を周った。
満員の場所もあったが、意外に数も多く、何とか安い宿を見つける事が出来た。
勇都は、受付をしていた宿屋の主人に色々話を聞いた。
ピジョンの街には、世界中から人々が闘技場にやってくる。
人とモンスターが戦う姿を観戦するのが娯楽になっている。
闘技場に入るチケットを入手するのも今では難しくなっている。
人とモンスター、どちらが勝つのか掛け金を掛けて楽しめる。
勝てば大金が手に入れることも可能で、人々は熱狂している。
また、観戦をしながら人々は、観客席である者は仕事の商談をする。
ある者は、強い冒険者を見つけスカウトし、護衛や仲間に引き入れたりする。
ある者は、強いモンスターを自分のペットにするために大金を叩く者もいる。
様々な欲望と目的で集まっていると勇都は聞いた。
ターメリクの国では、殆どギルドの仕事は、砂漠のモンスター退治であった。
1人では出来ないし、生命の危険もありリスクが伴う。
砂漠のフィールドで、モンスターを簡単に見つけ戦闘をして倒すことが困難であった。
勇都は、他の国に行くための資金を得るために闘技場で戦う事を決意した。
様々なレベルでモンスターと戦う事が出来た。
(ま、低いランクでモンスターと戦い勝てば少しはお金が入るだろう。あまりこの国に長居するつもりもないしな。)
勇都は、闘技場前に来た。
中では、大歓声が聞こえてきた。
熱狂する人々の声。
何のモンスターかはわからないが、叫び声を上げていた。
武器の音も鳴り響く。
何かが起こるたびに拍手や応援の声が上がり、観客の興奮が伝わってきた。
勇都は、闘技場の戦いに参加する為に受付に向かう。
受付は、様々な冒険者が並んでいた。
(うわーっ。こ、こんなに参加する人が多いんだ。)
勇都は、驚いていた。
受付のゲートに200人くらいの冒険者達が並んでいた。
受付を案内する担当する男女が、クラス別に誘導する為に声を上げる。
「お、レベル30以内のランク1のクラスはあっちに行けばいいのか?」
勇都は、ランク1の場所に向かおうとする。
「お、なんや。お前、ここに出て戦うのか?」
勇都は、立ち止まった。
1人の男が勇都を呼び止めた。
勇都は、その男を見て表情を硬くする。
それは、ヒルギスの街に入る前に砂漠でサンドワームと戦った時に出会った男だった。
同乗していた商人を殺そうとし、それを止めようとした自分に襲い掛かってきた男。
背は高く、顔は狐だった。
勇都を殴り、恐怖を与えた男だった。
その男の名は、マキャーと名乗って去っていった。
砂漠を守る警備隊が巡回に来てくれなければ、勇都の命はなかったかもしれない…
「ひさびさだなー。名前はユウトだっけ?」
マキャーは、口から牙を見せて不気味に笑う。
勇都は、マキャーを睨みひたすら見ていた。
マキャーは、ゆっくりと勇都に近づいて行った…




