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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第4章 希望と絶望の国・ターメリク…‐A country of hope and despair turmeric-
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第2話 地中に生息するもの…

「うっ、うわああああああっ!!!」





勇都達が乗る馬車が空中に放り出された。





体が浮き上がり、荷台の中に皆しがみ付いていた。




馬車が上空の頂点まで達し、そのまま凄い勢いで落下していった。





砂に馬や荷台が沈み込む。






「うっ、ぷっ、口に砂が…」





勇都は、体に衝撃を受けたが、何とか荷台から抜け出した。





すると落下した馬の一頭は、頭から落下したのか横たわり荒い息を吐いていた。






下が砂漠だったため、柔らかくクッションになっていた。





勇都は周囲を見る。




周りは砂だらけだった。





荷台にいた他の人々もいた。





年老いた老婆は腰を抑えていた。





「大丈夫かいハニー?」




「何とか大丈夫よ!」





若いカップル2人は、お互いに無事を確認しながら抱き合っていた。





中年の商人は、落ち着かない様子で震えていた。






ターバンを被り、馬を操っていた男は、勇都達に叫ぶ。






「おい。急いでここを離れるぞ。奴が来る前に逃げないと。確実に死んでしまうぞ!」






男は、西の方角に走って行った。





その瞬間だった。





「あ~…」






勇都の斜め後ろに居たはずの老婆の姿が消えた。





勇都の見間違いでなければ、地中に吸い込まれていった。






(ヤバイ!この砂の下に何かが居る!!)






勇都は、毒の女神サマエルが変化した神の武器、魔剣グランベリーを鞘から抜いて握る。





勇都は、馬を操っていた男の背を追いかけて走って行く。





(勇都よ、この下には微かだが毒の匂いがするぞ。倒せば、わしの腹が膨れるぐらいのモンスターがおる。気を引き締めろ)





サマエルが勇都に呼び掛ける。






「はい、師匠!」




勇都達が走っているのを見て、若いカップル達は動揺する。





「ねえ、ダーリン。あの人達走っているよ。喉も乾いてきたし付いて行った方が良…」






若い女性は、男性に一緒に逃げようと言おうとした。





が、直ぐ隣にいた恋人の男が居ない。






「え、あれ?さ、さっきまで居たのに…ねえ、何処…返事してよ…」





女性は青ざめて怯える。






辺りを見回す女性。




すると、女性の真上から何かが音を立てて降ってきた。





女性は、ふと見上げる。





黄土色をした長い何かの姿が見えた。





丸い部分から何か赤いものが垂れていた。





それは真っ赤な血だった。





血が流れている所には、人の手があった。





女性は、その手に覚えがあった。





その手の指には、銀の指輪があった。




それは、自分とおそろいの指輪。




彼氏のものであった。





丸い所から男の手が出ていた。






女性は、降りかかったものが血だとようやく気付く。





「え…あ…」





女性は、身動きできなくなり固まる。





すると、男性の手が落ちてくる。




と同時に女性は見た。




丸い輪のようなものが白く鋭く尖り広がる。






それは、花が咲くようにゆっくりと広がり、鋭く細く見えた。





まるで歯の様だった…




若い女性は、その光景を見たのが最後だった。




黄土色の何かは女性を飲み込んで行った。





勇都達に続いて走っていた商人の男が絶叫する。






「出た!サンドワームだ!!!」






勇都達の後ろには、砂虫を呼ばれるミミズの様な姿をしたモンスター。




サンドワームが、口を開き勇都達を見つけるのだった…










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