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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第4章 希望と絶望の国・ターメリク…‐A country of hope and despair turmeric-
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第1話 勇都、砂漠を行く…

 砂漠を越えようとしている馬車が見える…。




荷台には、人が数人乗っていた。




荷台の前には、馬が数匹いて、砂漠をゆっくり歩いて行く。






荷台には、商人風の男性や、若い男女のカップル、年老いた老婆が居た。








「うわ~。日差しが暑い。殺人光線だー。ヤバイ。」








荷台から外を覗き込み男は項垂れる。




外は、容赦なく太陽の光が照らしつけている。





雲一つない青空。





しかし、温度と太陽の日差しが緩むことなく注いでいた。






(勇都よ。暑いのはわかるが、涼しくならんぞ。愚痴ばかりでは。)







魔剣グランベリーに変化したサマエルが勇都に呼ぶ。





勇都は、ボルシチ共和国を出てターメリクへと向かっていた。





関所で、馬車でターメリクの首都に行けると勇都は知る。




お金を出して、馬車に乗り込んだ。





そして、今、砂漠を横断中だった。





勇都は、ボルシチ共和国のギルド、鷲の爪の長モーリスからターメリクの事について聞いていた。




ターメリクの国は、昔から砂漠に住む部族達が領土を獲得する為に戦いを続けていた。




しかし、その中である部族が強さを発揮し、敵対する部族を倒し服従させターメリクの国を統一した。





今は、戦も無く穏やかな国になっていた。




だが、ターメリクに訪れた者達は口を揃えて言う。




あの国には、希望以上に絶望があると…





ターメリクの首都のソルツにギルドがある。




そこで仕事を受け、資金を稼ぎ旅をしていこうと勇都は考えていた。





ゴン




突然、馬車の下から音がする。






「ん、何か大きな音が聞こえてきたな?」






勇都は、荷台の中から耳を澄ませる。







馬を操る男性が叫ぶ。





「い、いかん。奴らが来る!皆さん、これから飛ばします。衝撃に耐えて何かに摑まって我慢していてください!!」






男性が馬に鞭を叩く。




馬は、興奮し走り出した。






荷台の中にいた商人風の男性が、青ざめた顔をして怯えていた。








「砂漠に生息するさ、サンドワームが居るのか?これから商売しなければならないんだ。こんな砂漠の真ん中で死ねない。」






男性は頭を抱えていた。





(勇都、いつでも戦える準備はしておけよ。)






魔剣グランベリーに姿を変えたサマエルが勇都に言う。





勇都は、無言でグランベリーの柄を握りしめる。





「ねえ、大丈夫なの?何が起きるの?」





「大丈夫さ。心配はないさハニー。」





若い男女のカップルは抱き合って励まし合っていた。






「おらは、あそこに行くまではまだ死ねないべ。」






年老いた老婆は、手を合わせて拝んでいた。







ドーン





「うおっ!!!!」






勇都は、思わず声を上げる。





馬車が下から何かに体当たりされた。






馬車が上空に高く浮かび上がった。





荷台の中の勇都や、他の者達の体が宙に浮く。







「うわわ、お、落ちていく!!」





馬車は、砂漠へと緩やかに落ちて行った…












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