第3話 暗躍…
「プ・プ・プ…報告終わったブー。」
暗闇の中の重く大きい扉からミポーが現れる…
ボルシチ共和国のゼノンの事について、魔王に報告をし終わった所だった。
頭は、豚。
体は、太っていた。
樽の様な形をしており、飛び跳ねていた。
ミポーは、魔王直属の部下であった。
世界の情勢を事細かに、月に1回定期的報告をしていた。
「さーてー、これからどうするかな。ご飯食べようか?それともオシャレしようか?ブヒヒ。」
ミポーは、下品な笑いをしていた。
すると、ミポーが出てきた扉から黒い甲冑に身を包んだ者が姿を見せる。
「おい、豚!魔王様が呼んでいるぞ!!」
ミポーを呼び止めた者が、鬼の様な面を付け、黒い漆黒の甲冑を着ていた。
「え?!さっき報告したんだけど…な・ん・で…???」
ミポーは首を傾げながら再び魔王のいる部屋へと入っていった…
それから数十分後…
ミポーは青ざめた顔で魔王の部屋から出てきた。
「ま、まさか、ゼノン様が死ぬなんて…」
ミポーは、先程の明るさとは違い暗い表情で項垂れていた。
魔王から、ゼノンが倒されたと報告を受けた。
詳細はまだ不明であった。
ミポーは、宰相ゼノンとずっとこの1年やり取りをして、魔王に報告を入れていた。
ゼノンは、ボルシチ共和国を治める為、魔王に従う事を約束し事を勧めてきた。
ミポーもゼノンが国を牛耳るのは時間の問題だと思っていた。
何事も無く進むと…
しかし、ゼノンが死ぬとはまだ信じられなかった。
「ゼノン、ゼノン様が死ぬなんて何で…」
ミポーは、その場でぐるぐると回っていた。
ミポーは、魔王にその事を咎められては居なかった。
ゼノンの事を告げられたが、代わりに新たな任務を与えられていた。
「んー、まあいっか。大丈夫。ブヒヒ…」
ミポーは、気持ちを切り替えてにたりと笑っていた。
ここから数か国、報告と調査に行けとの命を受けていた。
「ゼノン様の事気になるなー♪あ、最後に行くターメリク行った後、ボルシチに行ってみるー。楽しくなってきたなぁ~。ブッヒッヒ!」
ミポーは、スキップしながら廊下を後にしていくのであった…
 




