第18話 ゼノンの下へ…
「助かった。これでゲルナー王を助けに行けるぞ!」
ポールは、牢から出れて喜んでいた。
テッド卿も解放感で表情が少し穏やかになっていた。
勇都は、倒したスケルトンから牢屋の鍵を取り、ポール達の牢を開けた。
「ポールさん。僕は、行きます。後はお願いしていいですか?」
「後は任せてくれ!」
勇都は、ポールに牢屋の鍵を渡す。
ポールに奥の捕らわれた人々を解放してもらうつもりだった。
「冒険者よ。気を付けて行ってくれ。私達は、牢を解放した後、ゼノンの館に向かうつもりだ。君だけ戦わせない。我々も戦うぞ。」
ポールは、勇都に言った。
するとテッド卿が近づいてきた。
「冒険者。ゼノンの館に行くには、ここから2階にゼノンの部屋がある。階段を上がった右側の部屋。赤い扉だ。そこのベランダから下る階段があったはず。あいつはいつもそこから出入りしているのをよく見ていた。城の裏庭に出てまっすぐ行けば館に着くのだ。そこから行ってみなさい。」
テッド卿は、勇都に教えてくれた。
「ありがとうございます。ポールさん、テッドさん。」
勇都は、地下牢を後にした。
勇都は、ゆっくりと階段を登る。
辺りを見回す。
特に蠢いているゾンビやスケルトンは居なかった。
そのまま2階へ続く階段を上がる。
階段を上がると様々な部屋があった。
真っ直ぐ行くと大きな扉があった。
そこは、王の広間だとテッド卿は話していた。
しかし、今行くのはそこではなかった。
右側の部屋を見る。
するとテッド卿が話していたゼノンの部屋を見つけた。
赤い扉が勇都の目の前にあった。
勇都は、赤い扉に近づく。
ゆっくりと扉を開ける。
扉を開けて部屋を見る。
中には誰も居なかった。
部屋の中は、分厚い書物がびっしり並んでいた。
ゼノンのいる気配はなかった。
勇都は、ベランダにゆっくり向かう。
ベランダの戸を開けて外に出る。
すると階段があった。
「ここを降りて進めば、ゼノンの館に着く。勇都よ、一旦ノルンの村に戻るか?」
魔剣グランベリーに変化したサマエルが勇都に聞く。
「師匠。このまま行きます!少しでも情報を掴みたいし、後でポールさん達も来てくれる。今が最大のチャンスだと思います。村に帰って再び潜入が上手く行くとも言えませんし…」
勇都は、サマエルにゼノンの館に向かう事を明かした。
「うむ…確かにお前の言う通りだ。今しかない。ただ命の危険がある時は言うぞ。その時は逃げるのだ。我が弟子よ!」
「はい!」
勇都とサマエルは、階段を降り、ゼノンの館へと向かって行くのであった…




