第15話 勇都、城内に潜入…
「あれが、ゲルナー王の城か。うわ~、門番がヤバいな。」
勇都は、ゲルナーの城についた。
草叢から城の様子を伺っていた。
ゲルナー城は重苦しい雰囲気だった。
誰1人城に近づく者は居なかった。
城の城門に普段は、ボルシチ共和国の兵士達が門番をしている。
しかし、勇都の目の前には違う物が映った。
それは、スケルトンが2体立っていた。
剣と槍を持ち、辺りをうろうろしていた。
(勇都よ。あやつらを何とかせねば城には入れないぞ。どうする?)
魔剣グランベリーに姿を変えたサマエルが勇都に呼び掛ける。
「大丈夫ですよ。師匠。僕に考えがあります!」
勇都は、自分の胸を拳で叩いて自信満々に言う。
勇都は、近くにあった石を拾い、草叢から飛び出す。
勇都は、ゲルナー城の左の城壁の壁に向かい力一杯投げる。
と同時に城門に向かって走り出した。
体を低くして素早く走る勇都。
(上手くいってくれよー!)
ガンッ
城壁に石が思いっきり当たった。
城門の前に居たスケルトン達がその音に気づく。
音の下方向に向かって歩き出していた。
城門からスケルトンが離れた。
スケルトン達は勇都の存在にまだ気づいていなかった。
(チャンスだ!一気に突入だ!!)
「気配隠蔽!!!」
勇都は、アサシンのスキルを使用した。
体中全体に電流が走る。
勇都の体が透けていく。
勇都は、体全体を透明化させた。
そして開いている城門を抜け、城内へと突入した…。
城内には人の気配がなかった。
やけに不気味でとても静かだった。
「とても静かじゃな。勇都よ、これは罠かもしれんぞ。気を付けるのだ。」
サマエルは、勇都に注意を促す。
勇都は、気配隠蔽の効果が続いたまま小走りで走る。
これから何処に向かおうか考えていた。
すると勇都は、壁際の凹みに入る。
すると奥から何がが動いてきた。
勇都は、突然、横の壁際に入り止まる。
そして、身を縮める…
すると奥から何かがゆっくりとやって来た。
それは、スケルトンとゾンビだった。
体を揺らしながら辺りを見回して歩いていた。
スケルトンは、全身の骨をカタカタと鳴らしながら槍を持っていた。
ゾンビは、全身から腐敗した匂いを漂わせて呻き声を上げていた。
(見つからない様にしないと。慎重に行こう…)
スケルトンとゾンビが勇都の入ってきた城門の方へと向かった。
(チャンスだ!先に進もう。)
勇都は、ゆっくりと立ち上がる。
「無音」
小声で囁いてスキルを発動した。
勇都の全ての行動する動作が音を立てないようになった。
勇都は、小走りで先の通路へと進んで行った。
進むと階段があった。
上の階に進む階段と、下に行く階段があった。
(ど、どっちに行こう。迷って考えていたらスケルトンやゾンビ達に見つかってしまう。)
上の階段の方から何か音がした。
(消去法で下しかない。行こう!!)
勇都は、下の階段を降りていくのであった…




