第11話 街中の様子…
勇都は、水車小屋から歩いて街中に到着する。
朝になり、人々がまばらに歩いていた。
が、歩いている者達は、常に何かに怯えさえない顔をしていた。
周りには、特にモンスターも居ない。
が、人々の表情は生気がない。
とても絶望的で暗い表情ばかりだった。
勇都は、数人に話しかけたが皆関わるなと言わんばかりに勇都を無視して去っていった。
野菜売りすらも声に明るさや張りがない。
「どうなっておるのだ?この街中は…」
サマエルも街の者達をみておかしいと感じていた。
「あれ~、お兄ちゃん何処の人?」
勇都は突然声を掛けられて後ろを振り向く。
すると髪が黒くてツインテールの小さな女の子が居た。
「あ、お、おはよう。君何していたの?」
勇都は女の子に話しかける。
「うん。ご飯の時間まで遊んでいるの!」
女の子は、木の棒で地面に絵を描いていた。
「お兄ちゃん、冒険者なのー?」
女の子は、目を輝かせて勇都を見ていた。
「うん。まあそんな所。」
「すごーい!強いんだー!!」
女の子は喜んでいた。
「でも街の外出れないんだよ。夜になると怖いモンスター歩いているし。いっぱーい、色んな冒険者の人達居たけど、最近見ないよー。」
女の子の言葉を聞く勇都。
見た感じ一見平和そうなバーディーの街。
しかし、宰相ゼノンの手で明らかに変わっている。
勇都は、宰相ゼノンを止めて、ノルンの村を救う為に少しでも情報が欲しいと思った。
「あのさー、聞きたいんだけど。ギルドの建物は何処にあるのかわかるー?」
勇都は、女の子にギルドの場所を聞く。
ギルドに行けば冒険者達が集まっているかもしれない。
この国の詳しい実態。
宰相ゼノンについて何かわかるかもしれないと…
「うん。知ってるよ。ここまっすぐ歩いてねー、曲がるとお薬屋さんがあって、隣の白い建物だよー。」
女の子は笑って勇都に教える。
「あ、ママがきた。ご飯の時間だ。お兄ちゃん、バイバーイ!」
女の子は、勇都に別れを告げて去っていった。
「ギルドで詳しい情報を手に入れてから考えるか…」
勇都は、女の子の言ったとおりに真っ直ぐに歩き出す。
歩いて行くと右側に行く道が見えた。
曲がっていく勇都。
すると薬屋があった。
その隣に白い建物があった。
ラザニア王国の虎の牙よりも大きな建物だった。
看板には、鷲の爪と書かれてあった。
勇都は、ギルド鷲の爪の建物の中に入っていった…




