第3話 異形の2匹…
「よーし、下がっていいぞ!後は俺がやる!!」
オークと戦う村人達に下がるように指示するロドリゲス。
体に力を溜めてスキルを発動する…
「パワースラッシュ!!!」
ロドリゲスのロングソードの一撃が鋭く振りかざされた。
オーク2匹の胴体が真っ二つになった。
「炎よ、舞い踊れ…ヘルファイア!!!」
マービンの炎が地面から大きく吹き上がり、オーク達の体が燃え上がり消滅した。
「な、何だと…」
オークに指示していたビルは、ロドリゲス達の強さに驚いていた。
オーク達はは、ロドリゲス達の活躍で残り5匹になっていた。
「ロドリゲスさん達強いですね。オーク達全滅しますよ。師匠。僕達の出番ないかもしれませんよ。」
木の上から戦いを見ていた勇都が、魔剣グランベリーに変化したサマエルに話す。
「いや。そう簡単にはいかないじゃろう。操っている者の後ろの方を見てみろ。」
サマエルの言葉に従い、ビルの後ろを見る勇都。
ビルの後ろに異形のオークが2匹いた。
「おのれ~冒険者共め!邪魔をしやがって…おい、出番だお前ら!!」
ビルは、指を鳴らす。
するとビルの背後からオーク2匹が現れる。
それは、ただのオークではなかった。
目は真っ赤に染まり、体はオーク達の倍の高さ。
約2m程の身長。
そして、丸太のような足と腕。
興奮し、鼻息も荒く口から何か呟いていた。
「行けよ、ハイオーク達よ!こいつらをぶち殺せ!!!」
ビルは、ハイオークと呼んだ異質の2匹をロドリゲス達に向かわせる。
「ふん!ただのデカブツじゃないか。一瞬で倒してやるよ!!」
ロドリゲスは、ハイオークに突進していく。
「くらえ。ダイナマイトソード!!!」
ロドリゲスのロングソードの刀身が赤くなる。
ハイオークの胴体を斬りつけた瞬間、爆発した。
「よし、決まったぜ!!!」
ロドリゲスは、ハイオークを倒したと確信した。
しかし、次の瞬間だった。
ハイオークの手がロドリゲスの首を掴む。
「な…な、に…」
ロドリゲスは苦しそうにしハイオークを見る。
スキル技、ダイナマイトソード。
斬りつけて爆発し、相手を吹き飛ばす強力な技だった。
が、ハイオークは、吹き飛ぶことなく体の表面が赤くなっていただけだった。
「ぐ、う…ががっ…」
ロングソードを振るロドリゲス。
しかし、それはハイオークには届かない。
ハイオークに首を掴まれ片手で宙に浮くロドリゲス。
「ぐ…お…う…」
ロドリゲスの顔が赤くなり、口から泡を吐く。
ハイオークは、喚きながらロドリゲスの首に力を入れる。
ブシュウウウウウウッ
ロドリゲスの首が吹き飛んで、首から血が噴水の様に噴き出した。
「う、ううううっ…灰となれ…メガファイア!!!!」
マービンが頭上に大きな球状の炎をハイオークにぶつける。
炎は、ハイオークの顔に直撃した。
止まるハイオーク。
マービンは、もう一体のハイオークを倒すべく、魔法の詠唱を始めた。
ビュン
「ぐはっ!!!」
マービンの体に何かがぶつけられ吹き飛ぶ。
ロドリゲスの死体が、マービンに直撃した。
メガファイアをぶつけられたハイオークは死んでいなかった。
顔は、炎で爛れて焼けていた。
が、鋭い眼光でマービンを睨んでいた。
「ぐふっ、ふ、ふ…」
マービンは、血を吐きながらロドリゲスの体を退けて立ち上がり魔法の詠唱をしようとした。
するとオーク達がマービンを囲んでいた。
「うわあああああっ!!!」
マービンは、オーク達に攻撃された。
マービンは血だらけになる。
地面に倒れたマービン。
オーク達は、マービンを何度も殴ったり刺したりしていた…
勇都は、その光景を見て絶句していた…




