第2話 戦い始まる…
ノルンの村の中央にオーク達がやってきた。
豚のような顔に、口元には猪のような牙が生えている。
手には、剣や棍棒等様々な武器を持っていた。
オーク達の前にフードを被った男が現れる。
「こんばんは。ノルンの村の者達よ!奇跡の金は用意できたか?」
フードを取った男がジャバリエに話しかける。
男の目元には、刺青があった。
「あの男がオーク達を率いているのか?」
勇都は、木の上から男の存在を確認していた。
ジャバリエから、オーク達を率いるのは宰相ゼノンの手下であるビルだと聞かされていた。
ビルは、笑みを浮かべながら、置かれている奇跡の金の山を見る。
「ん、数が足りないではないか。それに見慣れない者達もいる。その冒険者達は何だ…」
ビルの顔が急に強張る。
「我々ノルンの村は、今まで奇跡の金を渡してきた。しかし、もう限界だ。金品を貰えるわけでもなくただ搾取される。生産に力を入れても毎月の数はきつい。もう、奇跡の金は渡せない!」
ジャバリエは、ビルに向かって叫んだ。
「何だと。すなわち、我らに逆らうというのか?」
ビルは、指をパチンと鳴らす。
すると黙っていたオーク達が雄叫びを上げ始める。
「ノルンの村は、お前たちに屈しはしない!」
フレッドが怒りをビルにぶつける。
ビルは舌打ちをする。
「痛い目見ないとわからん田舎の馬鹿め…おい、お前らやれ!」
ビルの後ろにいたオーク3匹が雄叫びを上げ、ジャバリエ達に向かって行った。
「おらあっ!!」
ロドリゲスは、ロングソードを振るう。
するとオークの首が宙に舞い上がった。
「…燃えよ…蹴散らせ…」
マービンの放った炎がオーク達の全身に燃え移る。
燃えたオーク達は、苦しみ地に伏せた。
「な、何…」
ビルは、オーク達が瞬殺され驚いていた。
「行くぞ!皆でノルンを、奇跡の金を守るのじゃ!!」
ノルンの村の者達は、武器を構えオーク達に向かって行った。
「オーク共め!ぶった斬ってやるよ!!!」
ロドリゲスは、村人達とともにオークの群れに突撃していく。
マービンは、魔法の詠唱を始める…
「勇都よ。遂に戦いが始まった。お前は、出来る役割を果たさねばならない。時を待つのじゃぞ。」
魔剣グランベリーに姿を変えたサマエルが勇都に言う。
「はい。師匠。いつでも動ける様にしてます。」
勇都は、木の上から戦いを見ていた。
勇都は、慌てふためくビルから視線を離さなかった…




