第13話 勇都、村を守る事になる…
ジャバリエ達から宰相ゼノンの行動を聞いた勇都。
「そのゼノンと言う宰相をどうにかすれば、村に活気が戻るかもしれませんね。」
勇都は、頷く。
「ああ。そうなれば一番いい。それよりも問題が今夜だ…」
フレッドは暗い顔をする。
奇跡の金を毎月1000個用意しなくてはいけない。
毎月オーク達に渡す為、栽培した奇跡の金を提供してきた。
が、遂に限界が来た。
1000個用意できないと…
村人達は必死で奇跡の金の管理に努めてきた。
しかし、人の流出やかける費用もギリギリまでやって来た。
若い者も少なくなり、年老いた者達にも協力してもらった。
800個行ったかどうかの数。
来月も奇蹟の金を提供できる保証はない。
用意できなかったと待ってもらったりの交渉も厳しい。
それを知って、オーク達に暴れられたらノルンの村はお終いだと…
「旅のお方や。あんたの力を貸してくれ。このノルンの村を守ってくれんか。可能な限りのお礼はさせてもらう。」
ジャバリエは、皺くちゃだらけの手で勇都の肩を掴む。
ジャバリエの必死の願いが勇都にも伝わってきた。
(勇都よ。この村の者達は本当に困っておる。助けてやろうではないか。)
魔剣グランベリーに変化したサマエルが勇都に言う。
サマエルの言葉は勇都にしか聞こえなかった。
勇都は、軽く頷きジャバリエに話す。
「僕にできる事があれば協力します。ただ、1人ではオークと戦い勝てるかわかりません。オークとはまだ戦ったことなくて…」
勇都は、正直な気持ちを明かす。
するとフレッドは、口を開く。
「その点は、大丈夫だ。実は、この村に他の冒険者の方々も居るんだ。あんただけで戦わせはしない。一緒に戦えば大丈夫だろう。」
フレッドから他の冒険者もいると聞く勇都。
「ま、まあ共に戦う仲間が居れば。引き受けますよ。」
勇都は、ノルンの村を守る決意をした。
数分後、勇都は、ジャバリエに案内され村の外れの建物へと向かう。
小さな一軒家だった。
「ここに今冒険者の方々が滞在しておる。」
ジャバリエは、扉を叩く。
すると扉が開く。
中肉中背の髪が禿げ上がっていた男が出てきた。
「村長さん。どうしました?」
男に事情を話すジャバリエ。
男は、ジャバリエ達を通した。
家の中に入ると数名の冒険者が居た。
頬が痩せこけた魔術師の男。
そして、奥のテーブルには1人の女性と男が座っていた。
「あらあら、可愛い冒険者さんだこと…」
白い豪華なローブに身を包む女性と男が椅子に座っていた。
勇都は、その二人に見覚えがあった。
ラザニア王国の関所で出会った冒険者だった。
男は、巨大な盾を持っていた。
屈強な男は、何も言わず無言で勇都とグランベリーに変化したサマエルを見回すのであった…
こんにちは。
作者の金城です。
皆様、異世界で《毒使いアサシン》となり冒険していきますを見て頂いてありがとうございます。
本当に自分の下手くそな作品を見て頂きまして感謝です。
とても嬉しいです。
非常に暑い季節になってきました。
仕事や生活で少し更新が遅れてしまいました。
が、気を取り直してガンガン書いて行きます。
次回から新章になります。
勇都とサマエルの活躍を書いて行きますので、今後ともよろしくお願い致します。
皆様もお体を大事にお過ごしください!




