表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第7章 インゲン国の白虎  -White tiger in the country of green beans-
187/191

第48話 沈黙…

「さあ、咲け。咲くのだ!」


ネロは、城の屋根の上から叫んでいた。


赤い強大な蕾が開こうとしていた。


シュッ


「むっ…」


ネロの前に何かが飛んできた。


ネロは、体を動かしてそれを躱した。


それは、巨大な十字の手裏剣だった。


手裏剣は、イズモの手元に戻ってきた。


「貴様、何者だ?!邪魔をするな…」


ネロは、イズモを睨みつけていた。


「…このインゲンの国の平和は守る…」


イズモは、懐から数本の苦無を飛ばした。


ネロの体に苦無が突き刺さった。


「ふん…。そんな攻撃等効かぬ…」


突然、ネロの体から音がした。


体から火が出ていた。


「ぬ、ぬうっ…こ、小癪な…」


苦無から爆発し火が付いていた。


「…火薬入りのものだ…」


イズモは、十字の手裏剣を二つに割った。


両手に掴み、鋭利に剝きだした刃物をネロに向けた。


「…いざ…参る…」


イズモは、ネロに向かって飛び出して行った。


「…散れ。これでも喰らえ!」


ネロは、掌から風を出した。


それは、球の様な形になりイズモに向かっていく。


球は、イズモの体に直撃した。


はずだった…。


「なにっ?!」


ネロは、驚いていた。


風の球をイズモにぶつけて斬り裂いたと思った。


が、イズモの身体は消えていた。


イズモの身体があった位置に、小さな木が浮いていた。


その木には、文言が書いたような黄色の札が張ってあった。


「…はっ!」


イズモの刃物がネロの肩を斬り裂いた。


ネロの肩から血が噴き出す。


イズモは、体を回転させて城の屋根の上に乗る。


そして、ネロに向かい合った。


ネロは、怒っていた。


「邪魔するな…。魔王様にこの国を献上するのだ。本気を出してやる。まずは、お前から消す!!」


ネロは、両手を広げた…。


一方、勇都達は、赤い蕾の根元の方に居た。



「攻撃が来ない…。収まったか。」


フューリーは、地面を抉るネロの攻撃が来ないことを確認していた。


「今が勝機でござる。皆の力を合わせて赤き蕾を倒しましょう!根元を集中的に攻めていくしかないです。」


ハザンが、鞘に刀を納め体を鎮めていた。


居合の様な体勢になっていた。


「空飛ぶ奴はこっちで何とかする。ジミー、お前も攻撃に加われ!」


フューリーは、短銃を握り上空のガーゴイル達に向けていた。


「私も迫る敵を倒して行きます。勇都殿も参加してください。貴方の毒なら効くかもしれません。」


アミナは、両手で刀を握り八相に構える。


「やってみます!」


勇都は、毒の女神サマエルが変身した魔剣グランベリーを握る。


グランベリーを前に向ける。


(勇都。ミネルヴァが教えてくれた毒の操作を上手く使ってみるのじゃ。今、お前が持っている最高の毒をぶつけろ。)


勇都は、サマエルの声に頷く。


グランベリーに玉を差し込み根元の方を見る。


勇都は、呼吸をする。


(落ち着いて…。自分の体の中に毒の塊のイメージを作る…)


目を閉じて呼吸に集中する。


グランベリーの先に紫色の光が出る。


「行くぜ!おりゃあああああああっ!!!」


ジミーは、大鎌で根元を斬り付ける。


ガチン


「あ…が…。か、硬え…」


ジミーは、愛用の大鎌を落とした。


大鎌の刃は、刃こぼれはしていなかった。


だが、強烈な衝撃がジミーの両手に伝わっていた。


根元は、全く傷一つ付いていなかった。


「滅殺!飛燕・炎筒!!!」


ハザンの刀が抜かれた。


刀から強烈な炎が噴き出して根元を斬り付ける。


根元に火が付く。


赤い蕾が全身を揺さぶり動いていた。


「効いているみたいだな。ジミー、お前も怯まず攻撃を続けろ!!」


ヒューリーは、短銃でガーゴイルを撃ち落としていく。


「水鳥の舞、圓」


アミナは、飛び上がり流れる様に動き、ガーゴイルを数体斬り裂いて行く。


(勇都。ハザンが攻撃した箇所に毒を与えて行け!)


サマエルは、勇都に指示する。


グランベリーの先に紫色の大きな炎が立ち昇る。


勇都は、目を開く。


「ポイズン…ランサー!!!!!」


勇都は、グランベリーで根元に向かって突きを入れる。


長く大きな紫色の炎が根元に深く突き刺さる。


赤い蕾は、全身を震わせてぐにゃぐにゃと動いていた。


「はあああああああっ!!!!」


勇都は、毒を赤い蕾の中に放出した。


すると赤い蕾の動きが止まった。


「よし!俺も負けずにやってやる!!」


ジミーは、大鎌を持ち大きく回転させていく。


大鎌は、大きな音を立てていた。


「根っこを斬り落としてやるよ!うりゃああああああっ!!!」


ジミーは、大鎌で斬りつけた。


ハザンや勇都がダメージを与えた場所目掛けて大鎌をぶつける。


大鎌は、根元を斬り裂いた。


黒い液体が噴水の様に噴き出した。


「…う…う…、ゆ、勇都さん達止めてくれたかな~。ぼ、僕もが、頑張らないとな…」


サスケは、掌を目の前の相手であるユキヒロにぶつけていた。


ユキヒロも掌をサスケに見せていた。


サスケは、ユキヒロに押されて体が少しずつ下がっていた。


「…こ、このままじゃ。ちょ、ちょっと厳しいかな~」


サスケは、苦笑いをしていた。


「ぐ…、ふ…」


イズモの口から血が噴き出した。


「お前ら如きのちんけな攻撃では、蕾は倒せない。」


イズモの左腕が切断されていた。


身体に無数の血が噴き出していた。


「む、無念…」


イズモは、屋根の上から落下していった…





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ