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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第7章 インゲン国の白虎  -White tiger in the country of green beans-
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第44話 勇都達、城へ向かう…

「おらっ!!!」


ジミーの大鎌がガーゴイルの体を斬り裂いた。


ガーゴイルの体が砂の様に消え去って行く。


しかし、上空にはガーゴイル達が更に増え飛び回っていた。


「城、どうなっているんだろ~。父上や兄上達は無事かな?」


サスケは、遥向こうにそびえ立つ城を見ていた。


城に行くまでに次々と増えていくガーゴイル達。


ハザンやアミナもガーゴイルを斬り倒していた。


「倒しても減るどころか増えているでござる。」


「インゲンの国の人達も私達が守らないと…」


屋根の上にあった石のガーゴイル像が実体化していき上空に飛んでいく。


「大輪断!!」


イズモは、組み立てた巨大な手裏剣をガーゴイルの群れに投げつける。


手裏剣は、ガーゴイル数体に当たりイズモの手元に戻ってきた。


手裏剣に当たったガーゴイル達は、叫び声を上げて落下し、地面に触れる前に消滅していく。


「倒しても終わりが見えませぬ…」


イズモは、再び巨大な手裏剣を構える。


「よし。僕のポイズンウィップで…」


勇都は、サマエルが姿を変えた魔剣グランベリーの柄を力強く握る。


刀身が紫色に光る。


(おい!勇都。無茶はするな。お前は、草の一族の根城で毒の暴走をしたではないか。まだ完全に毒のコントロールができたわけではない!!命の危険があるのじゃぞ。)


サマエルが勇都に攻撃するのを止めさせる。


「で、でも師匠。あのガーゴイル達を何とかしないと城に行けません。」


勇都は、困惑した顔をしていた。


すると何処からかガーゴイルに向かって何かが投げつけられた。


白い何かが1体のガーゴイルに直撃する。


「ギェエエレレエエエエエ!!!!!」


ガーゴイルは、上空で消滅した。


「な、何が起きた?!」


フューリーは、何かが飛んできた方向を見る。


そこには、ミネルヴァがいた。


「先輩!お待たせしました。」


ミネルヴァは、サマエルが変身したグランベリーを見て笑顔を見せる。


(ミネルヴァ。ガーゴイルを倒したのはお前か?)


サマエルは、ミネルヴァに呼び掛けた。


「はい。私が倒しました。天界から持ってきた聖なる塩を使って。地上に来て沢山作ったんですよ。」


ミネルヴァの背後で、次々と丸くて白い塩の塊がガーゴイルに投げつけられていく。


それは、ガーゴイルに直撃する。


当たったガーゴイルは、醜悪な姿を失って消えて行った。


投げつけたのはミロクだった。


担いでいた袋から塩の塊を握り準備していた。


「この塩は、邪悪な弱いモンスターをこの世から消滅させることができます。ガーゴイル程の弱小モンスターを倒す事は容易いです。」


ミネルヴァは、ドヤ顔を勇都達に見せていた。


「…やはり、塊だけ投げつけても倒した気がせぬ。俺はやはりこれで行く。」


ミロクは、巨大な鉈の様な武器を片手で持つ。


「うおおおおおおっ!!!」


ガーゴイルの大群に向かって走って行く。


ガーゴイル数匹は、ミロクに向かって急降下していく。


鋭き爪がミロクに向けられる。


ミロクは、ガーゴイルを薙ぎ払い吹き飛ばしていく。


「先輩。ここは、私達に任せて城へ行ってください。」


ミネルヴァは、サマエル達に城に向かうように促す。


「そうでござる。ここは我々が何とかします。この国を守る為にも。」


ハザンの刀から炎が燃え上がった。


「この国が滅ぶと商売も上がったりだ。少しは貢献しよう。」


「流石親方です!」


フューリーとジミーは、武器を構える。


「サスケ様、ユウト殿と共に城に行ってください。近づく魔物達は撃退します。将スケナオ様、ユキヒロ様の所へ着くことが大事です。」


アミナは、サスケに向かって言った。


「僕、近道知っている。ユウトさん、付いて来てよ。」


サスケは、城に向かって小走りを始めた。


(よし。勇都、行くぞ。サスケに従え。)


勇都は、黙って頷く。


そして、ジミー達に向かって言う。


「皆、後は頼みます。死なないで。」


勇都は、振り返り駆け出して行った。


「おう!誰が死ぬかよ。俺はお前と違い丈夫なんだぜ。」


ジミーは、勇都達に向かうガーゴイルに向かってジャンプする。


「行かせねえよ!!!」


ジミーは、その場で体を回転させ全身の力を使って大鎌でガーゴイルを切り捨てた。


「先輩…後から必ず追いかけますね。」


ミネルヴァは、走る勇都達を見送って呟いた…

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