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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第7章 インゲン国の白虎  -White tiger in the country of green beans-
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第42話 変化する石像達…

 インゲンの国の城下町は、大きく変わっていた。


町人達が逃げ惑い、建物からは火が上がっていた。


上空から背中に羽根を生やし、鳥の様な顔をしたモンスターが所かまわず人間を攻撃していた。


インゲンの国の役人や勇気ある町人達は、必死に応戦していた。


「わ、我が国は、強固な入国審査や見回りで怪物達が現れ町に侵入してくることは無かったでござる。草の一族すらも入れなかった。なのに、何故、大量の数がいるのだ?!」


ハザンは、疑問に思っていた。


小路から誰かが飛び出してきた。


「おっ、親方っ!!」


ジミーは、飛び出してきた男を見て叫ぶ。


フューリーだった。


「ジミー。無事だったか!!」


すると鳥のモンスターが両手を広げてヒューリーに飛び掛かっていった。


ズキューン


勇都達は、思わず大きな音に耳を抑える。


ヒューリーの片手から放たれた短銃の弾がモンスターの胸の辺りを貫いた。


モンスターは、血を吐きながら地面に落下した。


「オラッ!!!」


ジミーは、大鎌を振りかぶりモンスターの首を切断した。


首が上空に舞い上がる。


ピキッ


上空に舞ったモンスターの首が灰色になる。


それは、地面に鈍い音を立てて転がっていった。


「石に変わった?!何だ、このモンスターは。」


勇都は、モンスターの固まった首を見て呟く。


「ユウト。こいつらは、倒すと何故か石の様に固まるんだ。」


フューリーは、短銃に玉を込めながら勇都に向かって言った。


「親方。こいつらは一体何処から来たんですかい?!」


ジミーは、フューリーに近づく。


「わからない。お前達と会う1時間前ぐらいか。俺は、丁度、トルネオ商会の貿易の為、店で品物を購入しようとしていたら急に外が騒がしくなった。出るとこの有様さ。せっかくの値引き交渉のチャンスを潰されたぜ。」


フューリーは、深いため息を付いていた。


「やっ!!」


アミナは、低空飛行してきたモンスターを刀で一刀両断した。


するとモンスターの体が石になって地面に落ちた。


「…む。皆様、あれを見なされ。」


ハザンが指を指す。


勇都達は、その方向を向く。


すると城下町の建物の瓦屋根の上に小さな石像があった。


それは、倒したモンスターと同じような姿をしていた。


(あれは、まさか…。)


魔剣グランベリーに姿を変えた毒の女神サマエルが反応した。


「師匠。あの石像の事を知っているんですか。」


勇都は、片手に持っていたグランベリーに話しかける。


(わしも話に聞いただけじゃ。魔の者達が使役するモンスターでガーゴイルと言う名の怪物がいると天界の書物庫の本で見たことがある。かつて神が魔の者達と戦った記録があった。その中で石像から変化して攻撃してきたとあった。絵入りで書いてあったが似たような姿じゃった…)



城下町の屋根に1体ずつあった。


「あんな石像は今まで見たことがない。置いてあった記憶も無い。一体誰の仕業だ。」


ハザンは、日本刀を脇に構えて石像を睨んでいた。


ピシッ


突然、石像が割れる。


その中から体が薄緑のモンスターが飛び出した。


鳥の様な顔をし、赤い目に牙と角を生やしていた。


背中から大きな翼が広がる。



「ギョエエエエエエッ!!!」


サマエルが文献で知ったというガーゴイルと呼ばれるモンスターが上空を旋回し始める。


他の石像も同じように割れてガーゴイルが飛び出し姿を見せる。


「げはっ!!」


「ぐぼっ!」


「ひっ、ひいいいっ!来ないで。嫌ぁぁ!!!」


町人達の叫びが聞こえる。


「あ…」


勇都は、城下町の中を見回す。


ガーゴイルに傷付けられ倒れる者が多かった。


老若男女関わらずに無差別に襲い掛かるガーゴイル。


鋭き爪に引っかかれたり、噛みつかれたりしていた。


「ぬおおおっ。も、物の怪めが!成敗してくれる!!」


インゲンの国の役人達もガーゴイルに必死に抵抗し攻撃していた。


それでも、石像が割れてガーゴイル達の数が増えていく。


インゲンの国の上空には、数十体のガーゴイルが漂っていた。


「うわぁ~。あの鳥達何とかしないとな。弱ったな。これじゃ父上達の居る城に行けない。どうしようかね~。」


勇都達一行の一番後ろに居たサスケは、上空の増え続けていくガーゴイル達を見ながら頭を掻いていた…。



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