第17話 勇都、白蛇に挑む…
勇都は、階段を降りていく。
次第に冷たい空気が勇都に当たっていく。
勇都は、この先は危険だと肌で直感した。
階段を降りると大きな広い場所があった。
《勇都よ、すぐそこの岩場に隠れよ。》
サマエルの指示に従い、岩場に隠れる。
《よいか、そっと奥を覗いて見よ。》
勇都は、恐る恐る奥を覗く。
暗闇に眼を凝らし勇都は辺りをよく見る。
眼が次第に暗闇に順応してきた。
「?!」
勇都は、直ぐ岩場に隠れた。
《わかったじゃろう…あれじゃ。あれを倒さんと地上には戻れん…》
勇都の額は、汗が止まらなかった。
全身の震えが止まらなかった。
勇都は、両手で二の腕を抑え、再び岩場から除く。
そこには巨大な蛇がいた。
白くて大きな蛇が…
《勇都。あの蛇の奥に、確か地上に出れる転送陣があったような気がする。わしが天界から追放された時にあの蛇の後ろの転送陣から祭壇に運ばれてきた記憶がある…)
魔剣グランベリーに変化したサマエルは、過去の記憶を思い出していた。
「し、師匠。あ、あのモンスター倒すんですか?」
《そうじゃ。》
「む、無理です!」
《馬鹿者。叫ぶな!見つかってしまうぞ!!》
サマエルは、興奮して怯えた勇都を叱る。
《勇都よ。落ち着いて聞け。今、あの白蛇は寝ている。巨大で大きい。このダンジョンの主だろう。しかし、安心せい。わしの力があれば、倒せる。》
「し、しかしどうやって…」
勇都は青ざめた顔でサマエルを見る。
《ふふ。良いか勇都よ。わしを舐めるな。これでも天界にいた毒を携わる女神だぞ。わしの毒の力を使えば必ず勝てる。お前に勝利する方法を教えてやる。》
「ほ、本当ですか師匠?」
勇都の目に希望の光が宿る。
‐10分後‐
《という段取りで行くぞ。良いか?》
「はい、師匠。」
《うむ。わしの力を信じよ。そして、勇都。お前のアサシンとしての力も信じるのだ。》
勇都は、魔剣グランベリーを鞘から抜いた。
「じゃあ、師匠。行きますよ…」
勇都は、岩場からゆっくりと出た。
目の前の先に居る白蛇は寝ていた。
勇都は、地面に伏せた。
そして、そこからゆっくりと這って前に進んで行ったのだった…