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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第7章 インゲン国の白虎  -White tiger in the country of green beans-
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第33話 サスケとミネルヴァ…

「バラキ、その人達を傷付けちゃだめだよ~。」



サスケは、ボサボサの髪を搔きながら黒鬼に近づいて行く。


「サスケよ…この者達は、お前の知り合いか?」


バラキは、強大な斧の先をサスケに向ける。



「危ない危ない。閉まって。ハザンさんとアミナさんは知っているよ。後の人達は…始めて見るよ。」



すると、バラキは、斧の刃を下に向けて地面に付き刺した。



「親方。サスケの言う事を聞く必要なんてない…」



バラキは、ミロクに掌を向けて話を止めた。



サスケは、ジミーやイズモ、そして地面で苦しむ勇都を見る。


「わっ。何、あの子。体が紫色になっているよ。何か危険だね~。」


サスケは、しゃがんで勇都の方を見る。


一方、人の姿になったサマエルの目の前には1人の女性が居た。


サマエルより背が低く、赤いマフラーの様な物を首に巻き、短い髪にウェーブが掛かっていて赤い眼鏡を掛けていた。



「先輩…お久しぶり…」


眼鏡の女性は、サマエルを懐かしそうに笑ってみていた。


「ここに居たか…。インゲン国に入ってずっと気配を感じていた。わしは、間違っていなかった。ミネルヴァよ…」


サマエルは、眼鏡の女性をミネルヴァと呼んだ。


「私も、先輩の気配を何となく数日前から感じていた。本当に出会えるなんて奇跡。天界を追放されてどのくらいの歳月が流れたのでしょうか。」


ミネルヴァの眼に薄っすら涙が浮かんでいた。


「そうじゃの。しかし、よく考えてみればミネルヴァよ。わしは、この地に落とされたが、何故お前がこの世界に居るんじゃ。お前の様な優等生は何かやらかす訳がない。どうしてだ。」


サマエルは、ミネルヴァに質問する。



「先輩が追放されてからなんか天界はつまらなくなった。地上の事を見たり聞いたりして、私も興味が湧いて。中々許可を貰えなかったけど、ようやくお許しを貰い200年前に来ました。」


ミネルヴァは、サマエルに答える。


「それよりも先輩。あの男の子は、先輩が面倒見てるんですか?あのままだと死にますよ。」


ミネルヴァは、サマエルに勇都の生命の危険を教える。


「わしもあの様な状態を見るのは初めてじゃ。今まであんなことは無かった。正直驚いておる。一体何があったのか。速く助けないと。」


サマエルは、後ろで苦しむ勇都の姿を見て眉間に皺を寄せていた。



「んー、先輩。あれは、先輩の毒の影響ですね。間違いありません。」



ミネルヴァは、赤い眼鏡を指で上げながら勇都を見る。



「あ…うう…ああ…ううぅ…」


勇都の身体が更に濃い紫色になる。


口から泡が出ていた。



「ミネルヴァちゃん!あの子ヤバいよ。死んじゃうよ。助けてあげよう。僕、あれ取ってくるから。」


サスケがミネルヴァに勇都を助ける様に指示した。



「先輩。詳しい話は後で。サスケちゃんの言う通り。先輩のお気に入りの子を助けます。」


「だっ、誰がお気に入りなものか!!」



サマエルは、顔を赤くし照れていた。


ミネルヴァは、勇都に近づく。



「うわー。毒素が体に回っていますね。よく生きてますね。普通の人間ならもうとっくに死んでいるよこれ。」


ミネルヴァは、苦しむ勇都を見ながら呟いていた。



「まあ。何とかしますか。」



ミネルヴァは、腰のベルトに巻いた入れ物から何かを取り出した。



それは、注射器の様な器具だった。



「この中の液体を体に入れて、後はサスケちゃんにお願いすれば大丈夫なはず。」



ミネルヴァは、勇都の右腕の二の腕に注射を刺した。



すると、勇都の身体の痙攣がピタリと止まった。



「おーい。持ってきたよ~。」



サスケは、片手に何かを持っていた。


それは、小瓶だった。


ただ瓶の中は、金色の液体で輝いていた。



「よし。早速飲ませよう。」


サスケは、勇都の鼻を摘み、口を開ける。



「頑張って飲んで~。」



サスケは、勇都の口に液体を流し込んだ。


全て入れ終えると口を閉じさせる。



すると、勇都の身体の色が薄くなっていった。



「あ~、良かった。何とか間に合った。」



サスケは、勇都を見ていた。



勇都の呻き声が止まった。



全身を染めていた紫の色が全て無くなった…。



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