第16話 勇都、パワーアップする
勇都は、サマエルが変化した魔剣グランベリーを持つと力が漲ってきた気がした。
「勇都。ステータスを見て見よ。」
勇都は、サマエルに言われ、ステータスを開いてみる。
【オガタ ユウト】:LV2
【職業】:アサシン
体力:22(+15)
魔力:10(+21)
攻撃力:29(+88)
防御力:19(+32)
素早さ:45(+56)
器用さ:23(+31)
運:100
<特殊能力>
気配隠蔽 残り1回
無音
毒無効
毒回復
武器毒補正
毒女神の加護
「え、な、なにこれ?!」
勇都は、ステータスの変化に驚いていた。
各能力が上がっていた。
しかも、運の数字も驚異的な数だった。
更に特殊能力も毒に関する物が加わっていた。
「ふふ、驚いたじゃろう。これもわしのおかげじゃぞ!」
グランベリーに変化したサマエルが自慢そうに勇都に言う。
勇都は、とても嬉しそうな顔をしていた。
「うぉほん!勇都よ…お主がレベルが上がり強くなれば、更に能力が身に付く。わしの力も回復していけば様々な能力が使えるようになるぞ。」
「ほ、本当ですか?!」
勇都は、グランベリーを見つめる。
(ま、お前が死んでしまえばわしも…何としても強くなってもらわねばな…)
サマエルは勇都の顔を見ていた。
「よし。勇都よ。戦いながら、能力は追々説明していく。とりあえずは、地上に脱出することが先決じゃ。わしの寝ていた祭壇の所を見て見よ。」
勇都は、サマエルの言う通り祭壇に向かう。
サマエルの寝ていた祭壇を見る。
すると青白い四角のタイルがあった。
「それを思いっきり押して見よ。」
勇都は、サマエルに従いタイルを押す。
ゴゴゴゴゴッ…
すると祭壇の床が動いて行った。
下に降りる階段が出現した。
「ここを通っていけば地上に行ける。」
サマエルは、勇都にそう告げる。
「やった。これでベルムダンジョンとおさらばできますね。」
勇都は、階段に向かおうとする。
「まてぃ!勇都よ。これから階段を降りたら、お主は戦わねばならない。油断するなよ。」
「え…」
勇都は、立ち止まってしまった。
「勇都よ。言っておくが、地上に行くにはわしの記憶が正しければ、この下にいるとあるモンスターを撃退せねば帰れぬぞ。しくじれば、死が待っておる。」
勇都は、言葉を失う。
この下にモンスターが居るなんて夢にも思っていなかった。
簡単にサマエルの導きで脱出できると甘い考えだった。
「あ、あの、し、師匠。その、下の、モ、モンスターって…強いんですか?」
勇都は、恐る恐るサマエルに聞く。
するとサマエルは答える。
「うむ!強いぞ!!」
勇都の顔が青ざめる。
サマエルの力で各能力が上がったとは言え低レベルであることを思い出した。
「ま、大丈夫じゃ。戦闘はわしがサポートしてやる。必死に戦えば勝てるじゃろう・・安心せい。」
サマエルは、勇都に言う。
「勇都よ。もう進むしかないのだ。未来を掴むためには。覚悟を決めよ。」
サマエルは、少し厳しい口調で勇都に問いかける。
勇都は、しばらく無言だった。
突然、勇都は、両手で自分の頬を思いっきり叩いた。
パンッ
「よし。行きますよ。モンスター倒して地上に出ますよ!」
勇都は、気合を入れ挑むことに決めた。
「その意気じゃ。我が弟子よ。」
勇都は、グランベリーを握りゆっくりと階段を降りて行ったのだった…




