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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第7章 インゲン国の白虎  -White tiger in the country of green beans-
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第26話 目指すは岩山…

「でよ。草の一族の奴等の棲家は遠いのかい?」



ジミーが村長のナスカに聞く。



「このカマルの村から歩いて1時間程の場所にあります。奴等は岩山の中に居を構えております。」




ナスカの話に反応し、勇都の腰の魔剣グランベリーが紫色に一瞬点滅する。



(やはり白虎の言うた通りじゃ。)



グランベリーに変身したサマエルは、白虎の話とナスカの話が一致したことを理解し納得する。



「岩山の近くに万金丹があるはず。いつ向かうか話し合いをしましょう。」



ハザンが勇都達に提案する。



勇都達は、静かに頷いた。



それから2時間程話をした。



アミナは、勇都達が岩山に向かうのならば、草の一族が攻め込んできた時が好機だと話す。



草の一族は、大群でカマルの村を攻めてくる。



1週間に1回の頻度でやってくる。



その時、岩山にいる草の一族の数は、ある程度減っているはず。



その隙を付き、村から出て岩山に素早く向かう。



そして万金丹を見つけ回収し戻るという策をアミナは考えていた。




「それは中々良い考えです…流石、防衛隊長をするだけの器。無駄がない…」



イズモは、アミナの考えを褒めていた。



「多分、草の一族は数日後に再びやってきます。大体半日は攻撃を村にして行き我々は防ぎます。それまで疲れを取り、準備をして備えた方が良いです。」



アミナは、勇都達に言う。



「ありがとうございます。そうします。」



勇都は、アミナに礼を言う。



「後、私も共に同行します。」



アミナは、勇都達に真顔で宣言する。



「姉ちゃんよぉ~。それは、嬉しいんだが。でもあんた、この村を守らなければならないだろぅ?」



ジミーは、アミナに話す。



「皆さんは、万金丹がどんな姿・形をしているかおわかりですか?」



「う…そ、それは…」



「拙者も名前は聞いたが見たことは無いでござる。」



「…確かに、わかりませぬ…」



「わからないです。」



勇都達は、言葉に詰まる。



「私は、幼少の頃から父ロクサブロウに連れられてこの地域の状況を教えてもらう為に連れていかれました。以前は、この村の付近にも咲いていた万金丹の花を見たことがあります。少しは、お役に立てると思います。それに村の防衛は、副隊長や他の役人達も居ますので。軟な鍛え方はしてませんので問題ないかと。」



アミナは、初めて笑顔を勇都達に見せる。



「じ、じゃあ、よろしくお願いします。」



勇都達4人は、アミナに向かって頭を下げた。





それから、勇都達は、村の離れの建物に案内されて各自部屋に入り休養を取る。



「ふっふ~。腕がなるぜ。鬼共を斬り倒してやるよ。このジミー様の大鎌で!」



ジミーは、愛用の大鎌を磨いていた。



「此度の万金丹の確保は、命懸け。拙者が死んでも、ユウト殿達だけは守らねば…」



ハザンは、胡坐を掻き瞑想をして心を落ち着けていた。




「………」



イズモは、紙に何やら書き物をしていた。



勇都は、自分の部屋で装備品を確認していた。



「えっと、この毒の玉はこっちにしまっておいて…」



人間の姿になったサマエルは、勇都に近づく。



「おい、勇都よ。これをお前に預けておく。」



「え、何ですかこれ。」



それは、黒い大きな爪の様な塊であった。



サマエルが、白虎から貰った爪だった。




「なぁ~に。お守り代わりみたいなものじゃ。持っておれ。」



サマエルは、勇都に爪を投げて渡す。



(時間があれば、あやつに会いたいものじゃ…会えるかどうかわからぬが…)




サマエルは、物思いに更けるのであった…




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