第13話 勇都、城内に入る…
「…はぁ…はあ…はぁ…」
真っ暗闇の部屋で男は呼吸を荒くしていた。
「…はぁ…あ…ぐ…ぐおぇ…」
男は、胃の残存物をすべて吐き出した。
男は、両手で口を抑えながら全身を震わせる。
「あ…、ぐ…、こ、このままでは…」
男は、両腕を掴み震えを止めようとする。
「何とかしなければならない…こ、この国の為にも…」
男は、腰の小さな袋から何かを取り出した。
「ふぅ、ふう…こ、これさえあれば…」
男は、取り出したそれを飲んだ。
「う…ふ…ぬ…き、効いてきたぞ!」
男は、笑っていた…。
勇都が草の一族のミロクと戦い、1日が過ぎた。
勇都は、スケナオの居る城へと向かっていた。
その後ろには、フューリーとジミーもいた。
フューリーは、口笛を吹きながら前を歩く勇都の背中を見ていた。
「まさかユウトのお陰で城の中に入れるとは思わなかったな。」
フューリーは、小声でジミーに話す。
ジミーは、頷きながらフューリーに言う。
「お頭、全くで。上手くいけばトルネオ商会の商売を許可してもらいインゲンの国でいい取引が出来るかもしれませんね。そうすれば俺達のお手当も…」
ジミーは、嬉しそうにしていた。
「ああ。インゲンの国で色々許しを頂くだけでも、商会にとって利益が大幅に上がる。更なる発展が遂げられる。」
フューリーは、勇都の背中が頼もしいそうに感じていた。
勇都は、城の門の前に来た。
インゲンの国の役人が確認に来た。
「フューリーさん達、ちょっと待っててくださいね。」
勇都は、役人に話をし、手形も見せた。
「どうぞ。お入りください。スケナオ様がお待ちです。」
役人は、勇都達を案内する。
城の門が開いていく。
「おおっ…な、なんて広さだ…」
ヒューリーは、中を見て驚いていた。
周囲には、巨大な庭園や池があった。
周りは、草花や木も所々あった。
目の前に石垣の上に五段層の造りの城がそびえ立っていた。
そして、着物を着た役人達が小走りで行き来をしていた。
役人達は、ユウト達をじっと見ながらそれぞれの仕事に向かって行くようだった。
「何か役人達が俺達を見ているぜ。注目されているんだな。」
ジミーは、役人達に見られているが嫌だとは思っていなかった。
逆に満足をしていた。
案内した役人が勇都達に言葉を掛ける。
「私はここまでです。お客様方。真っ直ぐ進めばあの白に中でスケナオ様が待っています。それでは。」
役人は、門の外へと行く。
再び門が締まっていった。
締まる音が響いていた。
「行きましょう。」
勇都は、城へと進む。
すると勇都の腰に差してある毒の女神サマエルが変化した魔剣グランベリーが一瞬光った。
(あの先に白虎の気配がするぞ)
サマエルは、勇都に呼び掛けた。
勇都は、目の前をよく見てみる。
その先には、白虎が体を丸くして伏せて寝ていた。
城の中から誰かが出てきた。
「やあ。昨日は大変世話になった。」
勇都達に手を振っている男が近づいてきた。
それは、ユキヒロだった。
その光景を遠くから見つめる1人の男が居た。
綺麗で所々に金の刺繍が入った豪華な着物を纏っていた。
烏帽子を被り、腹が大きく出ている中年の男だった。
「誰じゃ?!あやつらは。」
男は、扇子で体を仰ぎながら勇都達を見続けていた…




