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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第7章 インゲン国の白虎  -White tiger in the country of green beans-
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第9話 二刀流VS二刀流…

 ミロクは、ゆっくりと鉈を2つ両手に持ち勇都に向かって進んで行く。



「おい。あの青年殺されるぞ。」



「ああ。ただ我々はどうすることも出来ぬ。」



インゲンの国の役人達は、勇都に向かってくるミロクを見る事しかできなかった。


役人達は、死の恐怖からか体を震わせていて固くなり動けなかった。



突然、勇都がミロクに向かって走り出した。



「お。意気込みが良いな。だがさっきの姿を消しても俺の鼻はお前の匂いがわかるぞ。」



ミロクは、にたりと笑う。



勇都は、サマエルが変化した魔剣グランベリーを持ちミロクに斬り掛かる。




「甘いわ!!」



ミロクの2本の鉈が素早く勇都の胴に振るわれる。



「ああ…終わった…。」



1人の役人が武器を地面に落とし膝を着く。



役人は、勇都が斬り裂かれ死んだと確信した。



「????ん?!」



ミロクは、鉈で勇都の体を斬り裂いたはずだった。



が、手ごたえが全くなかった。



しかも、鉈は空を斬っていた。



勇都の姿は消えていた。



「陽炎!」



勇都は、そう叫ぶとミロクの腿をグランベリーで思いっきり突き刺した。



その部分は、ポイズンウィップで狙い打ちした場所であった。




「痛っ!!!」



ミロクが顔を歪める。



ミロクの右腿にグランベリーの刃が突き刺さった。



突き刺さった場所から黄色の血が出ていた。



「小僧。小癪な真似を!」



ミロクの形相が険しくなる。


怒りを見せて片腕で鉈を勇都に振るった。



ガキィーン



辺りに大きな音が鳴り響く。



「ぬ。我のこの鉈を…」



ミロクは、目の前の光景が信じられずにいた。



「おおっ。あの青年。ミロクの武器を受け止めておる。」



勇都は、鉈を受け止めていた。


右手に持つグランベリーと、マニーから引き継いだ影切を左手に持ち交差させて鉈を受けていた。



(お、おい。勇都。重いぞ。中々この身で攻撃を受け止めるのは辛いぞ…)



サマエルが勇都にぼやく。



「ふ…ははっ。面白い。久々に骨のある奴に会えた。」



ミロクは、笑いながら口から牙を見せる。




もう片方の手に持つ鉈を横に薙ぎ勇都に振るう。




「はっ!」



勇都は、その場で足を後ろに蹴り上げ逆立ちする。



迫りくる鉈を躱した。



勇都は、そのまま体を前転させてミロクの体に飛び込む。



「えいっ!」



勇都は、ミロクの体を乗り越えグランベリーと影切でミロクの背中を斬り付ける。



「ぬっ!」



グランベリーと影切の刃で背中に2本の傷が付き血が流れ落ちる。




勇都は、着地し身を低くしてミロクの方を向く。




「ふ、ふはは。面白い。面白いぞ。お前、名前なんて言うんだ。」



ミロクは、勇都の方を見る。



その顔は、楽しそうだった。



「僕の名は、緒方勇都だ!」



勇都は、グランベリーと影切をミロクに向ける。



「そうか。ユウトというのか。いいぞ。もっと俺を楽しませろ。お前は、簡単に殺さんぞ!」



ミロクは、勇都に向かって突進してきた。



鉈が勇都の真上と真横から同時に襲う。




「くっ!」



勇都は、横に転がりそれを回避する。



「はあっ!」



勇都は、左手に持った影切でミロクを突く。



が、ミロクは鉈で受け流す。



「もらった!」


ミロクは、もう片方の手に持つ鉈で勇都の首を狙う。



「おおおっ!」



勇都は、瞬時にグランベリーと影切を交差させて鉈を受け止める。



(勇都。きついぞ。流石のわしも体がおかしくなる!)



サマエルの嘆きが強く勇都の中に強く響く。



「しゃあああっ!!」



ミロクは、片手の鉈で勇都の胴を斬り付ける。



勇都は、自分の体に迫る鉈を思いっきり蹴る。



蹴った反動で体が浮き、バック転をして鉈から逃れる。



着地して勇都は、ミロクを向く。



「はあはあはぁ…」



勇都は、ミロクの攻撃を受けぬように集中していた。



しかし、呼吸が荒くなり全身から嫌な汗が出ていた。




(ヤバイ。体中が痛い。きつい。)



勇都は、ミロクの動作を見逃さない様に注意していた。



「もうそろそろ限界か?俺様はまだまだいけるぞ。本気を出すぞ。」




ミロクは、突然、一本の鉈を地面に投げつけた。



ミロクは、鉈を両手で握る。


大きく振りかぶりそれを背中に付ける。



「じゃあ。これに耐えてみな…風神!!!」



ミロクは、大きく鉈を振る。



すると風が起こり勇都に向かって飛んで行った。



「ぐうっ!」




目に見えない風の様な塊が勇都の腹の辺りにぶつかる。




勇都は、苦しくなり体をくの字に曲げる。




「もらったああああっ!!」




ミロクは、飛び上がり2本の鉈で勇都に斬り掛かろうとした。




(勇都。逃げろ!!!)



サマエルの叫びが勇都に聞こえてきた…。




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