表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第7章 インゲン国の白虎  -White tiger in the country of green beans-
147/191

第8話 破壊の青鬼…

「ひっ!や、奴がまたきた…」



「ミロクだ。俺達では勝てないぞ!」



インゲン国の役人達は、武器を構えながらも全身を恐怖で震わせていた。




勇都の目の前に、ゆっくりと青い鬼が歩いてくる。




ミロクと呼ばれた鬼は、肩に巨大な鉈の様な武器を2つ担いでいた。



「さーて、少し運動してやろうかなぁ~」



ミロクは、右手に握っていた鉈を真上に上げる。



ゆっくりとそれを回して振っていくミロク。



「うおおおおおおっ!!!!!!」



刀を持った後ろ髪を束ねた1人の役人が気合を入れ大声を上げる。



「将スケナオ様をお守りする。ここから先に行かせん!」




役人は、ミロクに突撃していく。



「ふん。」




ミロクは、回していた鉈を一振りする。



その瞬間に、辺りに何かが弾ける。



それは、役人の体の肉片だった。




役人の腰から上の体の部分が全くなかった。



「うっ、うああああっ!!」



役人達の中に悲鳴を上げる者がいた。




勇都は、静かにミロクを見ていた。




(あの破壊力は凄まじい。一撃をまともに喰らえば死んでしまうぞ。)




魔剣グランベリーに変身したサマエルが勇都に呼び掛ける。



「はい。何とかやってみます。あの青鬼をここで止めないと大変な事になりそうですし…」



勇都は、ミロクの方を見る。



「気配隠蔽!!」



勇都は、2回目の気配隠蔽のスキルを発動した。



全身の姿が消え景色に溶け込んで行く。



グランベリーの柄に毒を含めた玉を装着し、ミロクに近づいて行く。



勇都は、接近しミロクの脇腹を突き刺そうとしていた。



ミロクは、鼻をヒクヒクさせて嗅ぐ。



「ん?何か匂うなぁ。」



ミロクは、巨大な鉈を振る。



それは、勇都の体目掛けて振られた。



「うぁ…」



勇都は後ろに大きく飛び退いて避ける。



ドン




鉈が橋の底に食い込む。



橋の木の部分が割れていた。



勇都は、もう一度体勢を立て直し今度はミロクの腿の部分に向かって斬りつけようと突撃していく。



「?やはり姿はわからんが匂う。」



ミロクは、もう片方の左肩に担いでいた鉈を横一文字に薙ぐ。



それは、素早い速度で勇都の体に迫る。




「う…」



勇都は、低くしゃがみ鉈から逃れる。



風圧が勇都の背中を掠めていく。



勇都の全身から冷や汗が一気に噴き出した。



(あやつ。わしらの気配が読めるのか?)



勇都は、低く身を屈めて再びミロクに向かう。



「人の匂いがプンプン近づいてくる。誰だ?」



ミロクは、両手に握った鉈を前に構える。



「ポイズンウィップ!!!」



グランベリーから紫色の炎が立ち上る。



それは、鞭のようにしなやかに。


そして、生き物の様に最速で動く。



パチン



ミロクの右腿に当たった。



「ん?何だぁ?!」




ポイズンウィップが更に同じ場所に炸裂する。



ミロクの右腿に当たったが色も変わらず変化はなかった。




「何だ?この攻撃は。そこにいるのは誰だ。」



ミロクは、自分に襲い掛かってきた紫の炎の方を見る。



するとそこに勇都の姿が徐々に現れていく。



気配隠蔽の効果が終了した。




「俺様に攻撃を仕掛けてきたのはお前か?あまり見たことない奴だな。」




ミロクは、勇都を見てニヤリと笑う。



「まあ、関係ねえや。どうせ俺のこの鉈で一瞬で消し去ってやる。」



ミロクは、2本の鉈を高らかに天に向かって突きあげる。



「そう簡単には消えないから。」



勇都は、グランベリーをミロクに突き出して構える。



勇都とミロクは、お互い睨みあっていた…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ