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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第6.5章 ワサビの里  -Wasabi Village-
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第8話 インゲン国の異変…

 勇都とサマエルは、ワサビの里へと戻っていた。




マニーは、獣売りの大典を捕らえていた。



ウラーの前に連れて行き、尋問をしていた。





ソイソースの森には、かつて多くの獣達が居た。




インゲン国から来る獣売りは、その獣達の一部を自然の恵みとして頂き、感謝をし、毛皮等を売り生活の糧にしていた。





マニーの父親達の代は、獣売りがワサビの里に断りを律義に入れてきていた。





獣売り達は、人を傷つけたり襲う害ある獣を退治したりするのが本来の役目であった。




しかし、近年は、獣売り達の質が次第に低下してきた。




むやみやたらに獣達を殺したり、狩ったりしていた。





最近では、獣達を買う為や食材として高値で取引出来るために攫っていく輩がいるとマニーはユウトに教えた。












「奴等は、主を狙ってやってきたのだろうな。まあ、我らも主達には中々遭遇することは無いが。」










マニーは、勇都と共にウラーの住む屋敷の外れの小屋に向かっていた。






マニーは、小屋の扉を開ける。





そこには広々とした藁が大量にあった。






その上に、フェンリルと子供達が伏せて寝ていた。






クウウウウゥ





大典の袋の中に居た子供のフェンリルが勇都の脛の辺りにやってくる。





顔を擦り付け勇都に甘えていた。








「よしよし。」







勇都は、フェンリルの子供の頭を撫でていた。









(勇都。好かれておるのぅ~。)








魔剣グランベリーに変化していたサマエルが勇都に呼び掛ける。






他の子供達は、母親フェンリルの近くでぐっすり寝ていた。





母フェンリルは、大人しく子供達を優しい眼差しで見ていた。





勇都と戦っていた時と違い、とても穏やかであった。





尻尾を時折パタパタさせていた。






フェンリルは、獣売り達に子供を攫われてしまった。




フェンリルは、取り返すために獣売りを倒し取り返そうとする。




そんな時に、ワサビの里から外出した勇都と出会ったのではないかとマニーは推測していた。











「本来、主は好戦的な獣ではない。人間を見ると自ら避けていく。戦うのは滅多に見ない。あの獣売り達の所業に怒りを現したのだと思う。」









マニーの言葉に勇都は頷く。






勇都は、改めてマニーの知識や経験、紳士な対応に感心と尊敬の念を抱いていた。








(マキャーと大違いだな。全然違うよ。)








勇都達の所に黒装束の男がやって来た。





ウラーが呼んでいるとの事だった。






‐数分後‐






勇都は、ウラーの部屋にいた。





ウラーは、大典から事情を全て聞き出していた。










「少し脅したらあれよあれよと吐き出したぞ。あいつは。」









ウラーは、ニヤリと笑っていた。





勇都は、あまりにウラーの顔が悪魔の様に一瞬見えた。





その内容については聞くつもりはなかった。






ウラーは、大典から聞いたことを語る。





マニーが予測したように、フェンリルの親子を見つけて捕獲しようとしていたのが理由だった。





インゲンの国に連れて行き、飼うか売るかを考えていたとの事だった。





その為に、子供で小さいフェンリルを捕らえた。





が、母親のフェンリルは、怒り攻撃してきたので逃げ回っていたというのが全ての経緯だったとウラーは、勇都とマニーに話す。





その脇で、人の姿に戻ったサマエルが木の実や胡桃を美味しそうに頬張っていた。










「しかし、あの獣売りがおかしなことを言っていた。インゲンの国の将が金銀や財宝、珍しい物を収集していると。提供すれば高い報酬を出すと…。それで奴らは躍起になって森の獣達を探していたと…」









マニーは、ウラーから話を聞いて驚いていた。








「将が…。まさか…。あの偉大なお方がそんな事をするはずがない…」







「インゲン国の将は、どんな方ですか?」








勇都は、マニーに聞いた。









「ああ。父親と共にインゲン国に行った時に会ったことがある。民を思い、温かみのある将だ。」








勇都は、インゲン国について改めて教えてもらった。





インゲン国は、将という一国の代表が治めていた。





世界の中でもそんなに領土は広くはないが、閉鎖的な部分が昔からあり、独自の文化を築いていた。





世界の各国は、インゲン国に注目をしていた。





インゲン国には、資源が豊富で他の国には取れない鉱物や作物等があり人気であった。




商売人も、インゲン国で取引をしたい為に訪れる。





が、入国するまでに中々審査や手続きに時間が掛かる。





近年は、だいぶ緩和されてきたがそれでもまだ未知の国であった。










「我々も仕事の任務等でしか入れない。気軽に入っていける国ではないんだ。」








そう話すマニーの隣のウラーも頷く。










「俺もこの世界に来て、長になり一回だけ挨拶に出向いたが時間かかったなー。」










ウラーは、苦笑いをしていた。





だが、ウラーは、直ぐに真面目な顔になる。










「しかし、俺は思う。今のインゲン国には何かが起きている気がしてならない。直感だが…」










勇都は、黙って聞いていた。





勇都も、フューリーやジミーからインゲン国については少しは聞いていたが、詳しくはわからなかった。





未知なる国であった。






勇都達のやり取りをサマエルは、静かに見つめていた。









「ふむ。やはり、インゲン国にわしはいかねばならぬな。」









サマエルは、胡桃を口に入れ食べながら考えていた。







サマエルは、何かに気づいた。








「おい、勇都。何か光っているぞ。」








勇都の腰の袋が青く輝いていた…









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