第4話 滞在…
勇都は、マニーの話を聞いて黙っていた。
ウラーは、勇都の様子を静かに見ていた。
「勇都君。君は、これからどうする予定なんだ?」
勇都は、ウラーに質問をされる。
(勇都よ。ここの里の者達は信用できる。正直に話しても良いのではないか?)
勇都の隣に居たサマエルは、ウラー達にわからない様に勇都に話しかける。
勇都は、頷きウラーに答える。
「僕は、これからインゲンの国に向かおうと思っています…」
勇都は、今までの旅の事。
インゲン国に入るまで、ウォーターメロンの海で出会ったフューリーと合流するまでの経緯も詳しく話した。
ウラーには、何故か正直に気楽に話すことができた。
「そうか。サマエル殿から少しは聞いていたが、そういった事でソイソースの森で修行していたんだなー。関心感心。俺も現役時代を思い出すよ…」
ウラーは、頷いていた。
「ユウト殿は、フューリーという方と合流されるのですか。」
マニーが勇都に話す。
「そうなんですよ。でも、フューリーさんもいつこっちに来るかわからないんです。2、3か月後とは言っていましたが…。連絡待ちです。」
勇都が答えた後に、ウラーが突然手を叩く。
「よし。勇都君の事情。よくわかったぞ。そのフューリーという人から連絡が来るまでうちの里にいれば良い。ここで修行すれば安全だ。」
「え?!」
勇都は、ウラーからの突然の提案に少し驚いていた。
「勇都君は、先日の豚のモンスターと戦い傷が癒えたばかりだ。無理は禁物だ。それにソイソースの森で君とサマエル殿は運よく出会わなかったが、あの森には主と呼ばれる強いモンスターがいるんだ。」
「主…」
勇都は、ソイソースの森で過ごしたが鹿や兎、鳥等は見たがモンスターは全く見ていなかった。
「そんなモンスターがいるとは思わなかったぞ。」
「それは、運が非常に良かったのですな。サマエル殿。主は、何処からともなくふらっと現れるのです。以前は、森には多くのモンスターが居ました。が、主が突然現れて一掃したのです。我等に攻撃してくることは滅多にありません。ですが、以前里の者が見つけ捕獲しようとしましたが、一瞬で吹き飛ばされ怪我をしました。それ以来、主を見つけても誰も近づかぬように逃げます。」
ウラーは、サマエルに主の事を教える。
「いやー。私も主を倒してみたいと思い森に行ったが見つからなかった。里の者達ににも止められて戦ったことはない。今でもその思いは変わらない。」
「ウラー様。それだけはお止め下さい!里の長が戦う必要はありません。」
マニーが、慌ててウラーに進言する。
「まあ、なんにせよだ。ここには、それなりの強さを持った者もいる。マニーは、技術や知恵もある。私も格闘家の端くれとして体術は教えられる。ここで鍛えてから旅立つのはどうかな?」
ウラーの問いかけに勇都は、結論を出せずにいた…




