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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第6.5章 ワサビの里  -Wasabi Village-
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第2話 長との対面…

 勇都とサマエルは、部屋に入る。






するとそこは大きな広間だった。






その奥に座布団に座る黒装束に身を纏った男が居た。







その男は、短髪で少し白髪交じりの男だった。








(あれ、何かこの人何処かで見た記憶があるな…)







勇都は、その男の姿に何処か覚えがあった。










「お目ざめになったか。さあ、そこに座ってくれ。」








男は、勇都とサマエルに座布団に座る様に勧める。







男は、勇都をじっと見つめる。







(な、なんだ。この人の威圧感がハンパない。)






勇都は、体が硬直していた。





体を射抜かれるような鋭き眼差しに只者ではないと感じていた。







「サマエル殿。こちらが貴方の話していた、勇都君ですか?」







サマエルは、ニコリと笑う。







「そうじゃ。これが我が弟子の勇都じゃ。発展途上のアサシンじゃ。」







男は、サマエルを見て笑った。







「異世界から来たと聞いたが、私の居た世界と一緒だと思う。雰囲気がそんな感じがするな…」








勇都は、男の顔を見て思い出した。










「あ、あなたは。た、確か…格闘家の浦添一道選手!」









勇都は、男を浦添と呼んだ。







勇都が居た世界で、中学生くらいの時に格闘技ブームが起こった。






とある団体が台頭し、テレビやメディア等にPRを掛けて世の中が盛り上がった時があった。





世界一の格闘技の頂点に立つ大会があり、当時勇都もTV中継を見ていた。






その中で唯一日本人選手が決勝に駒を進めた。





その選手は、決勝で敗れて準優勝に終わった。






それが浦添だった。





浦添の快挙は、連日報道され一躍時の人になった。





だが、1年後。






大会前にリベンジを果たすために猛練習を重ねていたはずの浦添。





直前で謎の失踪を遂げてしまう。






警察の捜査も行われたが手掛かりがなかった。





当時の報道では、借金や自殺等伝えられたが真相は不明のままだった。





浦添という存在を失い、大会は次第に衰えを見せ格闘技ブームは下火となっていった。






そんな浦添が勇都の目の前にいた。







「おっ。私の事を知っているとは…。嬉しいな…。」






浦添は、恥ずかしそうに勇都を見る。







「今は、このワサビの里の長をやっている。皆からウラーと呼ばれている。ウラーと呼んでくれ。」








「え、な、何でここに居るんですか?」







勇都は、浦添ことウラーに質問をした。







「実はね。大会の数日前に私は、優勝を目指してトレーニングに明け暮れていた。早朝、ランニングをし調整していた時に、電車に飛び込もうとしていた女性を見つけたんだ。踏切に入り、女性を突き飛ばし逃がした。が、私の目の前に電車が近づいていた。で…気が付くとこの世界に居たんだ。もう5、6年経ったかなー。確か…」








ウラーは、思い出しながら話していた。






「ま、こうやって会話も出来るまで回復してよかったよ。君やサマエル殿がソイソースの森に来たことは、里の者達から聞いていたよ。君達の動向や様子を見て害はないと判断した。その中であの豚のモンスターとの戦いを見て我々はこの里に招き入れたんだよ。」









「いや。ウラー助かったぞ。もしあのままだったらわしも勇都も死んでいたぞ。」








サマエルは、臺から胡桃を取り出して食べていた。








「そうだったんですか。でも、なんでここは隠れ里何ですか?」







「ん、それはね…」






ウラーが話そうとした時だった。







戸を叩く音がした。








「入れ!」







「失礼します。ウラー様。」








1人の編み笠を被った者が入ってきた。







「おっ。勇都よ。この者がお前を助けてくれたんだぞ。」








サマエルは、編み笠の男に手を向ける。








男は、編み笠を取る。





すると顔が見えた。








「え?!あ…」








勇都は、その顔を見て驚く。






それは、狐の顔をしていた。









「マ、マキャー…」









片目に傷があった狐の男は、勇都の言葉に反応し耳を動かしていた…











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