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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第6章 ソイソースの森にて  ‐To the forest of Soysauce-
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第9話 逆転…

 ミポーは、勇都にゆっくりと近づいて行く。






勇都は、サマエルが変化した魔剣グランベリーを片手に持ち何とか立ち上がった。





勇都は、足がフラフラしていて安定しなかった。










「お前。許さない。じわじわと苛めて痛めつけて殺してやる…。私の怒りはもう収まらないブゥ!!」







ミポーは、勇都の腹に思いっきり頭突きをした。







「ぐぶっ!!」








勇都は、口から血を吐き体が宙に舞い上がる。








「ブヒイイイイイッ!!!」







ミポーは、勇都の腹を再び左拳で殴る。







「がっ!」







勇都は、ミポーの拳を喰らい体を回転しながら吹き飛ばされた。







地面に叩きつけられる勇都。








「ぐ…う…」







勇都の体に強い痛みと衝撃が走っていた。







起き上がろうとしたが体が動かない。








そんな勇都の体に馬乗りするミポー。










「簡単に死ねないブー。まだまだ寝かせない~♪」









ミポーは、勇都の頬を軽く叩く。






軽い威力でも強烈で痛さを感じていた。





反対側の頬もミポーの手の甲で叩かれる勇都。







勇都は、小声で何かを呟いていた。










「ん?!どうしたのかな。降参?許さないけど。何?死ぬ前に言いたいことを聞いてあげる~っ。」







真っ赤な体の色のミポーは、勇都の首に手を当てる。








「ぐ…あ…う…」







勇都は、顔が真っ赤になり息苦しそうにしていた。






それでも何かを言っていた。









「ん?何?なんて言ってるの?」










ミポーは、勇都に体を近づけた。






口をパクパクさせて何かを言う勇都。











「あーっ!イライラする。何なの?なんて言ってる?」









ミポーは苛立ちを見せ始める。





勇都の手を首から離し、更に顔を近づける。






首から手を放されて、咳き込む勇都。







ミポーは、勇都の顔に自分の顔を近づける。









「…を…ってた…」








「ん?」







ミポーは、更に顔を近づけていく。








「…っていた…」







「ブゥ?!速く言え!」







勇都は、ミポーの顔を見て笑顔を作る。








「これを…ずっと…待っていた…」







勇都は、右手に持っていたグランベリーの刃をミポーの口の中に入れた。








「な…」








「ポイズン…ショット!!!!!」








グランベリーの刃の先が紫色に光る。







勇都は、ミポーの口に毒を放出し放った。








「うぐっ…」








ミポーは、グランベリーの先から出された毒の光を飲み込んだ。







するとミポーに異変が起きる。






両目から血が流れてきた。








「な、何これ…あ、う…」








ミポーの体が次第にふらつき始める。










「お、お前。いったい何をしたん…げ、う、うごぇえええええっ…」








ミポーは、口から大量の血を吐き出す。










「う、え…な、何これ…か、体動かない…」








ミポーは、地面に手を付いていた。





ミポーの体の赤い色が次第に薄くなっていく。





そして、筋肉で盛り上がった腕も萎んできた。











(どうやら今まで打ち込んだり斬ってきた毒も効いてきたようだのぅ…)









サマエルがミポーの崩れていく姿を見て呟いた。









「体痺れる…お腹の中熱い…ヤダ。な、なにこれ。…い、嫌だ。イヤダァ!!!」









勇都は、グランベリーの柄に様々な毒を入れて攻撃していた。







ポイズンショットの時は、自分の持つ限りの強い様々な毒を混ぜていた。








「…形勢逆転かな。あー、でも体動かないな…」








勇都のダメージを大きなものだった。





ゆっくりとしか行動できなかった。









「まずは呼吸だ。落ち着いて深く…ゆっくりと焦らず…」







鼻から息を吸い、横隔膜を上下させ上半身を起こそうとする勇都。







ミポーは、起き上がろうとする勇都を睨む。











「う、む。わ、私の…邪魔ばっかりしてぇ…。おいしい物食べたいのにぃ…。ま、魔王様に褒められたいのに…何で、何で、な・ん・で・えーっ!!!!!!」









ミポーは、元の姿に戻り絶叫していた。







勇都は、片膝をついて何とか起き上がる。








「お腹痛い痛い痛い!!こんな暴力嫌。私まだ死にたくない。ヤダーッ!!」






ミポーは、血の涙を流しながら勇都に突進していく。






勢いもなく勇都に向かうミポー。







「絞め殺してあげるぅー!」






ミポーは、両手で勇都の首を絞めようとする。






シャッ







勇都のグランベリーの斬撃がミポーの手の平を斬り裂く。










「あーっ!イタイイタイイタイ!!もう嫌ーっ!!!」






立ち止まるミポー。





勇都は、足元にあった拳大の石をミポーの顔に投げつける。







「ギャッ!!」







石は、ミポーの右目に当たる。





ミポーの目が腫れて更に出血した。






ミポーの体勢が崩れていた。








「おおおおおっ!!!」







勇都は、力を振り絞りグランベリーを両手で持ちミポーに向かって行った。










「ああ。嫌だ。痛い。ヤダ。来ないで。来ないでぇーっ!!」







ミポーは、後ろに下がり逃げようとする。





が、勇都の体がミポーを追う。





グランベリーの刃がミポーの腹を突く。






勇都の捨て身の一撃がミポーの腹に決まった。











「いた~い!痛いよぉ!!ああ、嘘。嘘よ…私が倒されるなんて…嘘でしょぉ!!!」







ミポーは、勇都に抱きつき全身の骨を折ろうとしていた。







勇都は、グランベリーをミポーの腹から即座に抜く。






グランベリーのミポーの喉目掛けて突き刺す。





ミポーの両手と勇都の突きは同時だった。








「う…あ…が…」







ミポーの両手が勇都の体に触れる前に、勇都のグランベリーがミポーの喉に深々と突き刺さっていた。






血が噴き出し、返り血を浴びる勇都。








「あああああああっ!!!」







勇都は、力を込めてミポーの喉を斬り裂いた。







更にミポーの首筋から血が噴水の様に吹き上がる。









「…あ…あ…う…」









ミポーは、目を閉じて力を失う。





そのまま勇都に覆い被さる様に倒れて行った。






「あ…が…ま、魔王様。わ、私、か、幹部になるブゥ…」






それがミポーがこの世で放った最後の言葉であった…










































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