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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第6章 ソイソースの森にて  ‐To the forest of Soysauce-
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第8話 とあるアサシンの賭け…

「ブヒャオオオオオオッ!!!」








全身が赤い色に染まったミポーがソイソースの森の中で叫び声を上げる。







ミポーは、森の木々を拳で殴りつける。










「ブヒッ。ブヒッ。出てこい!!!」







ミポーは、拳から血を流し木を殴りつける。






木は、根元から折れて音を立てて倒れて行った。









「何処に行ったんだブー!」








ミポーは、立ち止まる。






ミポーの目の前に勇都が居た。









「かくれんぼは、もう止めたよ。」









勇都は、ミポーを見て溜息を吐く。







ミポーは、勇都を睨みつける。





両手の筋肉が盛り上がる。







ミポーは、鼻息を荒くしながらゆっくりと近づく。









(勇都よ。チャンスは1回きりだ。)






魔剣グランベリーに変化したサマエルが勇都に呼び掛ける。








「はい。師匠。」







勇都は、グランベリーの刃をミポーに向ける。










「許さない。許さない。許さないーっ!!!」







ミポーは、勇都に飛び掛かっていった。










「気配隠蔽!!!」








勇都は、気配隠蔽のスキルを使う。






勇都の姿が消えて行った。









「まっ、また消えた。うーっ…モオオオオオーッ!!!!!」







ミポーは、空に向かって絶叫する。







ミポーは、拳を乱れる様に大きく振るう。





ミポーが拳を振るうと、地面の木の葉や木の枝が舞った。









「うおおおおっ!!」







勇都は、ミポーの背後に周り後ろの腿の裏側にグランベリーを突き刺した。








「ギャヒッ!」







ミポーは、勇都に突き刺されて痛みを感じていた。







「アアアアアアアアッ!!!!!」






ミポーは、振り向いて両手の拳を振り回す。







「ポイズンウィップ!!!」







毒の鞭がミポーの両足を叩く。






ミポーは、鞭の方向を見る。





が、鞭はまた別の方向から跳んできた。





腿の裏に鞭が何回も当たる。






しかし、ミポーは痛みを感じていなかった。






姿の見えない勇都を探す。







鞭は、脛の傷の辺りに直撃する。







それでもミポーは止まらなかった。







「まだまだっ!!!」







勇都は、力の限り何度も鞭をミポーの体に叩きつけていく。






勇都の気配隠蔽の効果の時間が終わろうとしていた。










「ンフッ。そこだあっ!!」








ミポーは、勇都の右手とグランベリーの姿を見つける。






勇都の全身が見えた。







ミポーは、勇都に向かって口を開ける。






黒い玉が勇都に向けて発射された。






勇都は、そこから動こうとはしなかった。






勇都は、黒い玉を体に受ける。







「うわあああああっ!!!」






勇都のレザーアーマーの表面が溶ける。





勇都は、火傷するような熱さを胸に感じていた。







「がはっ。」






勇都は、黒い玉を胸に受けて屈む。






ミポーは、勇都との間を詰めてきた。





片手で勇都の左肩を掴む。







「ガアアアアアッ!!」






ミポーは、勇都を投げ飛ばした。







「ぐふっ!!」






勇都は、投げ飛ばされ地面に背中を叩きつけられた。







口から血を流し、勢い余って転がる。









「ぐ、い、痛い…」







勇都のレザーアーマーの胸の部分が溶けていた。





その下のアンダーシャツも溶けていた。





胸の辺りが少し赤くなっていた。






勇都は、大の字になって寝転がる。











「うっ…き、効く。背中が痛い。」







勇都は、何とか起き上がろうとしていた。







「トウッ!」






ミポーは、勇都の腹を蹴る。






「がはっ!!!」






勇都は、再び吹き飛ばされる。







後ろにあった大木に背中を打ち付ける。









「がふっ!!」







勇都は、口から血を吐き出す。








「や、ヤバいかも…」








勇都の目の前にミポーが居た。






ミポーは、ゆっくりと勇都に向かってきた。








「お前は、グチャグチャにしてやる…」







勇都とミポーの戦いを木の上から見ていた男が居た。





勇都がソイソースの森にやって来てからずっと監視をしていた黒装束の男だった。










(あの者…豚の様な妖怪に殺されるな…)








黒装束の男は、木にもたれ掛かる勇都を見ていた。







黒装束の男は、腰にある黒い小刀の様なものを抜こうと手を掛ける。






が、黒装束の男は、驚いて止まった。









(何故だ?!あの者は殺されてしまう。なのに…どうして笑ってられる…)








勇都の表情は、笑っていた。





口から血を流し、呼吸が乱れていた。





しかし、目の輝きはまだ失われていなかった。










「へへ…。さあ来い…。でも、こう迫られると。やっぱり、こ、怖いなあ…」










勇都は、ミポーを見てグランベリーの柄を力一杯握る。












「…もっと近くにこい。ギャンブルは苦手だけど、ここで勝負するしかない。最後のチャンスだ…。これに掛ける…」












勇都は、ミポーに大勝負を静かに挑もうとしていた。






心は熱く、表情は涼しげに。







ミポーが勇都の目の前で立ち止まり見下ろしていた…
























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