第6話 勇都VSミポー…
「ブフフフフッ。行くよぉー!!!」
ミポーは、勇都に向かって突進してきた。
素早い動きで勇都は、驚いていた。
(ぼーっとするな!やられるぞ!!!)
魔剣グランベリーに変身したサマエルが勇都に警告する。
勇都は、身を低くした。
ミポーは、勇都に抱きつこうとしていた。
その瞬間、勇都は前転する。
体を回転させ、ミポーの足元に転がる。
そして、グランベリーでミポーの脛の辺りを斬り付ける。
グランベリーの刃が脛を斬る。
が、血は出ていなかった。
「全然痛くなぁ~い!効かないよ。ブププッ。」
ミポーは、厭らしい笑い顔を勇都に向ける。
ミポーの口から何かがゴポゴポと鳴る。
「溶けちゃえーっ!!!」
ミポーは、口から黒い玉を勇都に向かって吐き出した。
物凄い速さで勇都目掛けて飛んできた。
「うわっ!!」
勇都は、右横に飛び退いた。
勇都の背後に立っていた太い木に黒い玉が当たる。
木の表面の皮がドロドロに溶けていた。
(あれを喰らったら無事では済まない。ヤバい…)
勇都は、黒い玉の威力に恐怖していた。
ミポーは、右腕を回転させて勇都に近づく。
「パーンチ!!」
ミポーは、勇都にパンチをしてきた。
勇都は、後ろに身体ごと転がり回避する。
ドゴッ
勇都の居た位置の地面にミポーの拳がめり込む。
「ん、ぬ、あ、ぬ、抜けない…」
ミポーは、地面にめり込んだ手を取ろうとしていた。
「今だ!ポイズンウィップ!!!」
勇都は、ミポーの体を連打していく。
「何これ?全然痛くないよぉ~。」
ミポーは、片手で地面に突き刺さった拳を抜こうとしながら勇都に言う。
(鞭も効かないなんて…どんな硬さなんだ)
勇都は、ミポーの体の色が変色もしていない事に気づいた。
足も斬りつけた手ごたえがあったのに、血も出ないでミポーにはダメージが無かった。
「拳がやっと抜けるブー。これからう~んとお仕置きしてあげる。ププッ。」
ミポーは、拳を地面から抜いた。
その時だった。
「気配隠蔽!!」
勇都は、気配隠蔽を唱えた。
勇都の姿が消えて行った。
「あれ。消えた…。何処?」
ミポーは、目の前にいた勇都が消えて驚いていた。
勇都は、姿を消したままミポーの脇を走り抜ける。
「おおおおおおっ!!!!!!」
勇都は、グランベリーでミポーの左わき腹を斬り付ける。
そして、そのままミポーの背後に周る。
勇都は、グランベリーの柄を両手で握る。
そのまま、ミポーの背中に思いっきり力を入れて突き刺す。
「くらえ!!!」
ミポーの背中にグランベリーの刃が突き刺さる。
「痛っ!」
ミポーが体を大きく揺らす。
勇都は、グランベリーを素早く抜いて森の中の木に隠れる。
「無音!」
スキルを使い、音を消して木の陰からミポーを見る。
「え、何。背中痛い。それにこれは?」
ミポーの背中を見ると青い血が少し流れていた。
そして、左脇腹にも皮膚を斬り裂き、青い血が地面に垂れていた。
「う、う、う…」
ミポーが立ち止まる。
(何だ一体?)
勇都は、ミポーの顔を見て異変に気づく。
ミポーの目から大量の涙が零れていた…
「溶けちゃえーっ!!!」




