表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第6章 ソイソースの森にて  ‐To the forest of Soysauce-
123/191

第5話 怒れる豚…

 勇都は、ソイソースの森を歩いていた。





周囲を見回し焚き火をするための木を集めていた。







ふと、勇都は、背筋に急激な寒気を感じる。







手に持っていた木を地面に落とす。








「何かが来る…」






勇都は、後ろを振り返っていた。







勇都と共に木を拾っていた毒の女神サマエルも異変を感じる。








「この森に招かれざる何かがやって来たみたいじゃ…」







サマエルも勇都と同じ方向を向く。








「勇都よ。只ならぬ気配を感じるぞ。こちらに向かってくる。戦う準備をしよう。」








サマエルは、勇都に手を出す。








「はい、師匠。」







サマエルの体が紫色に輝く。






勇都は、サマエルの手を握る。






サマエルの姿が魔剣グランベリーに変化した。





勇都は、グランベリーを握り両手で握り構える。






やがて何かが姿を見せる。










「クンクン。段々、臭いが近づいてきたブー。ようやくここまで辿り着いた…」









それは、ミポーだった。







勇都は、その姿に覚えがあった。






ボルシチ共和国でとある村に訪れた時に勇都は、村の為に用心棒として戦ったことがあった。





村を脅かす存在を知っている者を毒の力で白状させようとした時に、邪魔をしたモンスターだった。





口から黒い球体を吐き、捕らえた者を抹殺した。







「あ、あの時の…」






ミポーは、立ち止まる。








「この臭い間違いない…お前だな?」









ミポーは、勇都を見てニヤリと笑う。







勇都は、グランベリーをミポーに突き出す。










「誰だお前は?!」








勇都は、ミポーに質問する。








「誰…。だれ?私の事…」








ミポーは、首を傾げて勇都をじっと見る。







笑っていたミポーの顔が、次第に険しくなる。






周りの空気が一気に変わる。





勇都の肌に冷たい冷気が突き刺さる感覚がした。








(勇都よ。こいつは、ただのモンスターではない。気を抜くとあっという間に殺されるぞ。)








サマエルは、勇都にミポーが危険な存在であると教えていた。







勇都もそれに気づき静かに頷く。







ドスン






ミポーは、右足を思いっきり地面に踏みつける。






衝撃が勇都の足元に伝わる。









「ぐ…」








勇都は、地面に大きな揺れを感じ体を崩しそうになっていた。









「生意気な口を聞くなー!!!ゼノン様や、ケイトを倒し、私の邪魔をする悪魔め!!!!」










ミポーは、全身を真っ赤にさせ勇都を睨みつけていた。








「魔王様の下で働いていて今まで上手く仕事をしていたのにぃ~っ!ゼノン様の言う事も聞きお使いもしっかりしていた。ケイトにも魔王様からの道具を渡していた。私は、好きなお食事をし、楽しい事ばかりしていたのにぃ…」







ミポーの体が痙攣を始める。





太っていて勇都よりも低い背のミポー。






次第に体が大きくなってきていた。






腕が丸太の様に太くなり、上半身も逆三角形のボディビルダーの様になっていた。










「全部お前のせいだ。魔王様に怒られ、ゼノン様達を倒した奴を見つけて来いと言われた。私は、お前を許さないブー!!!」








ミポーは、勇都の背を上回る姿になった。









「私は怒っています。お前の手足をもいで、魔王様の所に連れて行く。連れて行ってご褒美をたくさんもらうから。幸せになるから…あ、何か楽しくなってきたブッフッフ♪」








ミポーは、邪悪な笑いを勇都に見せる。





それは、無邪気な子供の様に純粋で凶悪なものに感じられた。






勇都には、逃げようとしても無駄だと悟った。





仮に逃げる事が出来たとしても、きっと追いつかれて倒されてしまう。










「戦うしかないな…」







勇都は、グランベリーの柄に玉を入れて少しずつミポーに向かってゆっくりと歩いて行った…



















































評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ