第23話 提案…
バスターとクラーケンは、勇都とランド達の活躍で倒すことができた。
あれから1日過ぎていた。
クラーケンを倒すとデッドエンドの大渦は嘘の様に勢いが弱まり、小さな渦になった。
渦の中には、少しだがバスターらが蓄えた財宝類が見え隠れしていた。
エクスプローラー号は、大渦を通過することができた。
エクスプローラー号は、クラーケンの攻撃で船体が一部破損した。
が、応急処置の修理をし何とか船を動かすことができた。
クラーケンとの戦いで遅れ、これ以上破損で船が停止することも恐れ少し速度を落としゆっくりと進むことにしていた。
明日の午前中には、王都クックに到着する予定だった。
乗客の安全や確実に慎重に進むので2日かかる計算となる。
乗客達も納得してくれた。
クラーケンを倒した後…
ランドは、エクスプローラー号の通過を確認して静かに笑っていた。
トライデントを回収し、ランドは勇都に手を振って去っていった。
勇都は、フューリーの船に乗ってエクスプローラー号に戻った。
エクスプローラー号では、エキドナとフューリーが話し合っていた。
勇都は、フューリー達が過去に恋仲だったと知り驚いていた。
エキドナは、フューリーに兄の仇を討ったので戻れと言っていた。
クラーケンに沈められたトルネオ商会の船の積み荷や財宝類があるのでこれから商会の力を上げて回収するつもりでいた。
フューリーに力を貸せと強く主張するエキドナ。
しかし、フューリーは、海賊の長となったので簡単には戻れないと拒否していた。
勇都は、フューリーの手下、死神ジミーから話を聞いた。
エキドナの兄の仇を討つ為に来たフューリー。
その頃、海賊達が海上で血生臭い闘いを続けていた。
そんな中、ジミー達のいる海賊船が凶悪な海賊達に襲撃された。
船長は、あっさりと殺され、ジミーを含めた残りの海賊達で抵抗をしていた。
そこにフューリーが現れ、たった1人で剣技と銃撃で海賊を全滅させた。
ジミー達は感謝し、フューリーに自分達の海賊のボスになってくれと懇願した。
頑なに断るフューリー。
しかし、ジミー達の熱い願いに遂に引き受け、海賊になったのだと聞いた。
喧嘩しながら話を続けるフューリー達の下から勇都は静かに去った…
勇都は、エクスプローラー号の甲板に来ていた。
外は、青空が広がり雲一つなかった。
太陽が照り付けていた。
いつもは、肌が焼けるような暑さを感じたが、今日の日差しはそんなに辛くなかった。
勇都は、海を見る。
透き通るような深い青色の海を見ていた。
「海は落ち着く。見ていると気持ちが穏やかになるな。」
そんな勇都に呼び掛ける者が居た。
(勇都よ。少しいいか?)
それは、勇都の武器、魔剣グランベリーに変化した毒の女神サマエルだった。
「どうしました?師匠。何かありましたか。」
勇都は、グランベリーに向かって声を掛ける。
(実は、お前さえよければだが…王都クックに行く前にできれば寄りたい所があるのだが…)
「え?!」
勇都は、サマエルの話を聞き固まるのだった…




