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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第5章 波乱のウォーターメロン水域…  ‐Raging watermelon waters-
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第20話 悪あがき…

 バスターの頬が膨らむ。








(勇都よ。何かを仕掛けてくる。気を付けろ!)







魔剣グランベリーに変化したサマエルが勇都に言う。









「はい!やられる前に倒します!!」






勇都は、スキルの無音を使った。






電流が体を走る。





勇都は、バスターに向かって走り出した。





バスターは、頬を膨らませたまま身動きもしなかった。







(あの口から何かを吐く。その前に倒す!)







勇都は、バスターの近くに迫った。






するとバスターは、丸い水の玉を口から発射した。





それは、テニスボールの様な小ささだった。






勇都は、意外な攻撃に驚いていた。






それはゆっくりと勇都に向かう。






勇都は、水の玉を避けてバスターに近づいた。





グランベリーを振れば斬りつけられる近距離まで来た。









「おおおおっ!!!」







勇都は、グランベリーでバスターを斬りつけようとした。






すると水の玉が突然弾けた。





水が勇都の腿の裏に掛かる。





腿の裏に何か粘り気のある感触がした。






進もうとする勇都。





だが、腿に着いた水が水あめの様にべたべたしていた。





動けずに勇都はその場に倒れる。








「う、動けない。」






勇都は、腹ばいの状態になっていた。







バスターがゆっくりと歩いてきた。








「色々と我らの邪魔をしやがって!!!」







バスターは、勇都の顔に蹴りを入れた。







「ぶはっ!!」







勇都は、口と鼻から血を流していた。







バスターは、勇都の背中を何度も蹴りつける。







「がっ!!」








勇都は、背中の痛みで唸り声を上げていた。








「この海は俺様のものだ。俺は魔王様に認められるために船を沈めてきた。そして、お前らの乗る船も財宝類を奪ったら海の底へと全員沈めてやる。」






バスターは、勇都の頭を足で踏みつける。






「ぶ、ふ…う…」







勇都は、呻き声を上げていた。









「もう少ししたらトドメを刺してやるよ。この俺様の刃でな!」







バスターは、勇都の首に向けて腕から刃を出す。





刃の先が勇都の首に迫っていた。








「ま、まだだ。ここでは死ねない。師匠と世界各地を周ると約束をしたんだ。王都クックにも行ってみたい…」








勇都は、両手の拳に力を籠める。








力を入れて起き上がろうとするが、バスターの足の力が強く阻止される。







(現実世界ではあっさりと死んでしまった。でもこうして今、異世界で生きている。現実世界では出来なかったことをしたい。やりたい。まだ僕の冒険は始まったばかりだ…。生きたい。まだ死ねない…生きたい…)







勇都が握るグランベリーとナイフの柄に力が入る。






「さあ。お前の首を斬り落としてやろう。」





バスターは、腕の刃を勇都の首に当てようとした。






グサッ








「な、う、お、お前…」







バスターは、体をよろめかせていた。






バスターの足の甲にグランベリーとナイフが刺さっていた。







勇都は、顔を起こした。




顔全体が血だらけになっていた。





勇都は、言葉も発さずバスターを静かに睨んでいた。





勇都の目はまだ死んではいなかった。




眼の光が輝いていた…






















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