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異世界で《毒使いアサシン》となり、冒険して生きます  作者: 金城凄
第5章 波乱のウォーターメロン水域…  ‐Raging watermelon waters-
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第15話 援軍…

「撃てーっ!!」






エクスプローラー号の大砲から轟音が響く。




波に揺られて、数発だけクラーケンの体に当たる。





が、クラーケンは全く動かなかった。









「ハハッ。人間共め!俺の可愛いクラーケンにそんな武器は効かんぞ!!」










クラーケンを操る魚人のバスターは、高笑いする。







「行け。クラーケン。あの船を沈めるぞ。」







バスターは、クラーケンにエクスプローラー号を指差して指示する。








クラーケンは、ゆっくりとエクスプローラー号に向かって動こうとする。







すると何処からかクラーケンの足に槍が直撃する。






クラーケンは、突然、体を激しく動かし暴れる。








「ど、どうしたクラーケンよ?!」







バスターは、クラーケンの足を見る。







そこには、電流を帯びた槍が突き刺さっていた。






突き刺さった部分から血が出ていた。







槍の持つ部分に鎖が付いていた。









「むむっ…あ、あいつは…」









バスターは、鎖の方向を見る。








鎖は、海上に続いていた。





海上に一艘の船が浮かんでいた。






そこには、色黒で鉢巻を巻いた長髪の男が居た。






雷神トールが変化したトライデントを操るランドが居た。










「船には近づけさせんぞ。今日こそ仕留める!」








ランドは、クラーケンを睨みつけていた。







ランドは、勇都とエキドナ達に向かって叫ぶ。








「クラーケンは、俺が倒す!お前達は、頭の上に乗っている魚人を倒せ!!あいつを倒せばクラーケンは止まるはずだ!!」








勇都とエキドナ達は、ランドの言葉を聞き頷く。







「ユウトよ。この船を守るぞ!」







「はい!」






勇都は、サマエルの変化した魔剣グランベリーの柄を両手で握る。









「おのれ~。また邪魔をするのか、あの漁師は。船諸共海の藻屑にしてやるぞ!!!」






バスターは、顔を真っ赤にさせて怒っていた。






エクスプローラー号は、速度を落とし海の流れに逆らうことなく進む。






クラーケンは、エクスプローラー号に迫ってきた。






クラーケンの数本の足が、エクスプローラー号に掛かる。







「クラーケンを倒すぞ!」






エキドナの号令で水夫や用心棒達が足を攻撃し始める。






エキドナは、短銃を連射していた。









「はっ!」






勇都は、クラーケンの足にグランベリーを突き刺す。





先日倒した巨大クラゲの毒を柄に嵌めていた。






足から血が流れ、痺れたのか動きが遅くなっていた。








(勇都。クラゲの毒が効いているぞ。もっと攻撃だ!!)







サマエルの言葉に従い、勇都は別の足に向かってグランベリーで斬り付ける。








「ん、何だ。あいつの攻撃でクラーケンの足が止まっている。邪魔だ。クラーケン、あいつを攻撃しろ!!」






バスターは、クラーケンに命令する。






するとクラーケンは、口から何かを吐き出した。







それは黒く大きな液体の様な玉だった。






凄い速さで勇都に向かって行く。







「ヤバイ!」







勇都は、横に思いっきり転がる。






甲板の板に体を打ちつけながら黒い玉から逃げる。






勇都の近くにいた水夫や用心棒達に黒い玉が当たり弾ける。






すると水夫や用心棒達は、全身が黒く染まっていた。







「な、何だ。目が見えねえ!」







「息が苦しい。動けんぞぉ!!!」








視界と体が動けなくなり水夫達は苦しんでいた。






黒い液体がゴムの様に伸びて絡まっていた。








「おりゃあああっ!!!」






ランドがクラーケンの足にトライデントを突き刺す。








「邪魔をするな!!」







バスターは、ランドに向かってクラーケンを体当たりさせようとしていた。







次の瞬間だった。






大きな轟音が荒れ狂う海に鳴り響いた。








クラーケンの足が吹き飛んだ。







「な、何だ?!」







バスターは、音のした方を見る。







すると黒い帆船が海にいた。




船の大砲から煙が上がっていた。








「あ、あれは、フューリー…」







エキドナは、海賊のフューリーの船だとわかった。







フューリーの船の甲板には、海賊達が武器を持って集結していた。






フューリーは、黒い服に眼帯をし、両手には銃を持っていた。









「あの船には、愛する俺の女がいる!船は沈没させないぜ。行くぞ、野郎共。今日こそ、あの醜いモンスターを倒すぞ!!」







ヒューリーの掛け声に、海賊達は興奮し雄叫びを上げた…








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