第7話 岩礁地帯での休息…
エクスプローラー号は、クラーケンから全速力で逃げて1日が経過していた。
嵐の中を抜けたエクスプローラー号は、岩礁地帯に停泊して、外壁の修理等をしていた。
ウォーターメロン水域では、慎重に進まなければならない場所であった。
勇都は、サマエルと船内で食事しながら話をしていた。
クラーケンに襲われた際に救ってくれた漁師の様な男についてだった。
名前もわからない男。
男の三叉の槍は、サマエルが変化した魔剣グランベリーの様な神々の武器だろうと…
雷の力を使っていた神の存在を感じ取ったと。
そうでなければクラーケンの様な巨大なモンスターに立ち向かう事が出来ない。
サマエルは、船室でスイーツを食べながら勇都に語っていた。
「もっとパワーを付けねば。いずれまたこの海でクラーケンに出会い戦う可能性は高い。わしの力が発揮できるようにせねば。勇都!おかわりじゃ!」
勇都は、外に出る。
甲板には、水夫達が慌ただしく動いていた。
外の景色は、昨日の嵐とは打って変わっていた。
雲一つない青空で太陽が降り注いでいた。
勇都は、時折吹く風に心地よさを感じる。
「ユウト。調子はどう?」
エキドナが勇都に近づいてきた。
戦闘とは違い険しい表情をしていないエキドナが新鮮に見えた。
女性らしく色気が漂い、勇都はドキドキしていた。
「ええ何とか。何かお手伝いしましょうか?」
勇都は、エキドナに聞く。
「いや。大丈夫。もう少しでクラーケンにやられた補修も終わる。海賊に攻め込まれた時の準備も完了した。あと数時間で出発だ。」
エキドナは、勇都に話す。
この岩礁地帯は、水域が低く岩場が多い。
上手く進まないと船体が傷つき大変な事になる。
代わりに、海の海藻や魚等取りやすいと教えてくれた。
船を降りて、岩場で魚や海藻を採取している水夫達がいた。
「そういえば、エキドナさん。嵐の海でエクスプローラー号に侵入してきた黒い服の海賊の男と面識はあるんですか?」
勇都は、エキドナに質問する。
するとエキドナの表情が暗くなった。
「…それは…」
海の中から何かが飛び出してきた。
トビウオだった。
勇都の肩から腕までの長さと同じぐらいの大きさだった。
「うわっ。活きがいい!」
勇都は、トビウオを見て笑顔を見せる。
しかし、次々と海面から大量のトビウオが飛び出してくる。
「え?!」
エキドナは、海の様子がおかしいと察した。
「ユウト。海に何かいる。気を付けろ。」
エキドナは、レイピアと短銃を抜いて構える。
水夫達も作業を止めて武器を取っていた。
勇都も魔剣グランベリーを抜いていた…




