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【書籍化】お局様!三十路OLの転職~株式会社異世界商事へようこそ~  作者: 富士とまと


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 あっという間に2週間が経った。

 社用車に関しては資料を集めたけれど、とりあえずまりちゃんに確認してから決めましょうと社長にはくぎを刺しておいた。社長は免許が取れるのは早くても2か月後だから急いでないと言っていたけれど……。新車って、購入決めてからも納車まで1~2か月かかることがあるのは内緒にしておこう……。とにかくまりちゃんに確認するのが先。

 この日は、いつもと違った。

 通勤にも慣れてきたので、朝家を出る時間が定まってきた。早く着きすぎることもなく、だいたい8時50分前後。始業時間10分前に到着する。

 社長は私より少し早めに来ていることがほとんどで、渡されている鍵を使って事務所に入ったのは1回しかない。

 この日は、珍しく社長がまだのようで、鍵を使って事務所に入る。

 いつものように、資料室の奥に場所を作ってもらったロッカールームに荷物を置く。

 そう、壁際に配置してあった棚を移動させて、奥に3畳のどの棚に区切られた場所を作ってもらったのだ。出入り口にはアコーディアカーテンを付けてもらい、中にはロッカーを置いてもらった。今後女子従業員が増えることも想定して、ロッカーの数は6つ。

 あとは、花田硝子さん特性の姿見を1つ入社祝いとしてロッカールームにプレゼントしてもらえました。あとはパイプイスが3つ。ユニット畳が1畳分敷いてあります。

 少しずつ、いろいろな物が増えてますし、どんどん快適になっています。

 布山というプレートの入ったロッカーを開け、鞄を入れる。いまはまだほとんど物のないロッカー。

 少しずつここにも物が増えていくのかな……。

 お気に入りの本を持ってこようか。手前にはお気に入りのポストカードでも張っておこうか。

 このロッカーが自分の居場所、会社は私のいる場所という感じがして、少しずつ自分らしくしていくのが楽しみだ。なんせ、定年まで働くと30年はこのロッカーと仲良くやっていくわけだし。

 ロッカーは、暗証番号方式の物。中は金属だけれど、外見は木目調のものだ。

 事務所に言ってタイムカードを押す。

 いつも出社一番で、社長がコーヒーを入れてくれる。今日は私の方が早かったので、私がコーヒーの用意をしよう。

 と、社長がいつも使っているカップと、私が持ってきたマイカップを用意してゴリゴリとコーヒー豆を挽くところから始める。……いろいろ知らないことも多い社長ですが、なぜかコーヒーには詳しい。なんでも、コーヒーを飲ませたら、あちらの国の人にコーヒーの作り方を聞かれて、知り合いのカフェのマスターに美味しいコーヒーの淹れ方講座をしてもらったとか。それで覚えたそうだ。

 せっかくなので、社長に、入れ方は教えてもらった。フィルターをセットして……と。

 うん、いい香り。

 ちょうど、9時になる頃には出来上がる。

 ……あれ?

 9時を5分すぎても社長が来ない。

 仕方がないので、せっかくなので、社長に入れたコーヒーを自分の殻になったカップにあけて、社長のカップは洗う。

「遅いなぁ。まぁ、社長だから重役出勤でも遅刻とは言わないけれど……珍しい」

 それから昼。

「まだ、来ないけれど、どうしたんだろう?」

 来ないのは別に構わない。

 仕事もいろいろとあるから、何をすればいいのか支持を仰ぐ必要もないし、今のところ電話などもメモしておけば問題ないことばかりだ。

 あと、ファックスを無事に導入したので、流れてきたファックスに目を通し、早急に対応したほうがよさそうな物に至急の付箋を貼り社長の机に置く。

 ……どうしたんだろう。

 いつも社長がいたので、社長がいないのこととても不思議な感じだ。

 17時過ぎになっても社長は来なかった。

 ふと、カレンダーを見ると、昨日の夜は新月だ。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] >社長に入れたコーヒーを自分の殻になったカップにあけて、社長のカップは洗う 空になった?
2023/01/30 22:15 退会済み
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